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2017年11月17日(金曜日)

健康を思う

カテゴリー: 21時41分14秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■
 
 先日10月19日に行われた福島県女性大会に参加してまいりました。午前中は福島県保健衛生協会の管理栄養士で健康運動指導士の軒名礼子先生の講演、そして午後は東京農業大学名誉教授・農学博士の小泉武夫先生の講演で、どちらも素晴らしい内容でしたので、少しお伝えしたいと思います。
軒名先生の「いきいき元気塾」では健康寿命を延ばすためには平均寿命から健康寿命を引いた男性では80歳−71歳の9年間と女性では86歳−74歳の12年間の介護を必要とする期間を短くすること。短くするための問題として1、内蔵の問題(生活習慣病)、2、足腰の問題(ロコモティブシンドローム)3、心の問題(ストレス、うつ、認知症)を挙げ、健康寿命の3つの柱として栄養・身体活動・社会参加を掲げられました。 ̄浜椶任魯丱薀鵐垢茲食べる・3食食べる・1食は家族と食べる・塩分は男性7g以下女性8g以下が目標 ⊃搬粒萋阿任和腰を鍛え、転ばない人になること(転ばない人と言えるのは速く歩く人、定期的に運動をしている人、握力が強い人〈握力は体の筋力とほぼ同じ値〉、自分は健康だと感じている人)だそうです。社会参加では外に出ていろんな人とつながりを持つことが大切で閉じこもりは認知症や糖尿病等になるリスクが高いということ。いつでもできる健康法として1日1,000歩を10分間で歩くこと。10分間で1,000歩以下にならないことが重要だそうです。また、簡単にできる体操では.エルの歌を歌いながら両手でグー・チョキ・パーをし、次に間に手拍子を入れていく。▲亜次Ε僉実料爐榔手で前に手を伸ばしてグー、左手は胸の前でパー、これを交互に行う(これは定番で誰でも出来そう)次にこのグー・パーの間に手拍子を入れる。これはなかなかハードルが高いです。そしてなでなでグルグル体操は片方の手で頭をなでなでし、もう片方でお腹をたたく。次に手を交換し、頭はたたき、お腹はなでなでする。これを交換に行います。脳の活性化にも繋がってとてもお勧めの体操です。そして最後に「笑い」が健康に良いと実証されている効果として〔髪嵶魯▲奪廖´▲▲譽襯ー改善 心臓病予防 づ尿病、リュウマチ治療に効果アップ ぅ好肇譽慌鮠辰魑鵑欧蕕譴泙靴拭女性だけの大会でしたので大変盛り上がりました。
そして小泉先生の「心と体のための食事学」では腸の病気は死亡率も高く(大腸癌・直腸癌)肉だけを食べてしまう食べ過ぎにあるというのです。肉のたんぱく質が唾液で分解されアミノ酸に変わり腸内で水素が抜け酸素が結合しニトロ化合物の発がん性物質(悪性菌−)に変わるそうです。この発がん性物質が腸内に留まると癌になるそうですが、野菜の繊維(+)は分解されず腸内にある悪玉菌(−)と引き合い一緒に便として排泄されるそうです。ですから、肉を食べるときは野菜も食べなさいと言われる訳で、野菜を十分食べないと癌細胞を作ることになるわけです。また、良性菌の生きている乳酸菌やビヒィズス菌は(+)なので野菜とは(+)同士なので結びつかず、そのまま腸内に残り免疫をアップさせるのだそうです。
普通正常な細胞は良く変わると免疫細胞(NK細胞)に変わり悪く変わる(狂う)と癌細胞に変わるそうです。この免疫細胞の多少によりたとえばインフルエンザに罹るか罹らないかが決まるなど、免疫細胞が健康にしてくれているということです。
では、どうしたら免疫細胞が増やせるかというと免疫細胞は9割が腸で作られるので、できる限り繊維(野菜)を摂る。野菜を摂ることで腸のせんどう運動が脳を刺激し免疫を作る。そして生きた菌も腸に入れると脳が刺激されて免疫を作る。ヨーグルトや納豆が当てはまり、そして発酵食品の効果も大きく、味噌汁の効果は大で、放射性物質も和食により軽減されたとのことです。そして、人間の死因は心臓が止まるか、免疫が無くなるかのどちらかに分けられるそうで、免疫が多ければ寿命も延びるというわけです。 さて、そこでどの位免疫があるか免疫が多いか少ないかの見分け方があるそうです。誰にでも簡単にチェックできる簡易識別法は便の観察によるものだそうです。 免疫の多い人、強い人は(悗梁世気親指より太い ⊃Г魯侫蹈螢瀬レンジ色(みかん色) Fいは少ない(繊維は匂いをつけるが菌が匂いを分解する)だ擇譴良い(おしりを拭かなくても良いくらい)この4個が当てはまれば免疫力は高いということです。とてもわかりやすい、女性向の講演でしたので、何度も頷きながらメモを取りました。
高齢者が風邪をひかれたり、感染症に罹患されたりする原因として免疫力の低下が挙げられましたが、今回の講義で免疫力を上げる方法を教えていただいたので、食事や体操、笑いを上手に取り入れて免疫力アップに繋げたいと思いました。
介護サービスを受けなくても健康でいられる健康寿命を延ばす食事や体操を、皆さんも試してみてください。
                                                        【文:施設長 高玉】


2016年11月19日(土曜日)

【地域における専門職の関わり】

カテゴリー: 23時48分47秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 10月29日、いわき市において開催された、「福島県地域リハビリテーション研究大会」が開催されました。地域包括ケアシステムの構成の一つである、高齢者が自らの手で運営するコミュニティ作りや介護予防のために活動する場所つくりが、県内でも広がりを見せています。これらの活動にリハビリ専門職がどのように関わっているのかについての研究発表で、南相馬市から「浜通り訪問リハビリステーション」が「週一サロン事業」への関わりについて発表するとのカリキュラムあったことから、興味があり参加してみました。

 南相馬市では、介護予防事業として、「元気はつらつ教室」、「フォローアップ教室」、「楽らく健幸教室」を実施しています。それらの教室の卒業生を中心として、身近な地域等で週1回程度の運動サロン「週一サロン」が市内に10か所程度立ち上げられています。このサロンは、住民主体で運営されており、そこに介護予防サポーターが参加し、体力測定や問題発生時には保健師等の支援を受けながら活動しています。この活動に浜通り訪問リハビリステーションの理学療法士が、講話・運動指導・個別指導や相談といった項目で関わりを持つことで、/搬両祿欧箚慇當砲里△詈やリスクのある方の運動継続支援を行うことができる、定期的な健康運動講話により運動への意識が高まる、G知症の方などへの対応方法を介護予防サポーター等に指導ができることで誰でも参加・継続できる、ことなどが期待出来るとしていました。他の研究でも、リハビリ専門職が地域住民の活動の場に直接関与することで、期待される活動効果をより高位に高めること、活動が継続するなどの成果があると発表していましたが、まさに、専門職が関わることの重要性には共感します。地域住民が主体となった活動であっても、活動の成果が実感できなければそれらの活動は継続しないことは明らかです。介護保険事業者である浜通り訪問リハビリステーションのスタッフがサロン活動に参画していることは大変意義のあることであると思います。

 これに先立ち、27日〜28日には、地域住民の居場所つくりの先進地として、群馬県富岡市を法人役職員15名で視察しました。当法人が、今後、南相馬市でも展開される地域つくりにどのように関わることができるのか、関わるべきなのかについて学ぶことが目的でした。富岡市は人口57,000人ほどで南相馬市と同規模ですが、すでに17カ所の活動拠点が整備され、更に増えつつあるとの事でした。特別養護老人ホームの施設機能を、活動拠点として地域住民に開放することにも取り組んでいますが、敷居が高いのか認知度が足りないのかまだ、具体的な活動には至っていないとのことでした。

 医療・介護資源が極端に減少している南相馬市ですが、それでもそれぞれの事業所には、多くの専門職がいます。医療・介護資源が少ないのであれば、医療・介護を必要とする人を少なくするしかありません。医療・介護予防に力を入れざるを得ません。自事業所の本業をおろそかにというわけではありませんが、専門職を抱える事業所は、外部にも積極的に目を向けて、医療・介護予防の取り組みに参加させることで、医療・介護を必要とする人を新たに生まないことの効果が期待でき、少ない医療・介護資源を有効に活用することに繋がって行くことではないかと感じています。

【文:施設長 菅原】


2016年9月16日(金曜日)

表舞台に出ないプロフェッショナルな仕事

カテゴリー: 01時48分59秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 自民党の単独過半数の議席確保という結果となった今回の参議院選挙でしたが、この3年間不在であった介護保険団体からの国会議員を国政の場に送り込むことが出来ました。消費税増税見送りによる社会保障費財源確保の不透明さから想定される次期介護報酬減額改定、介護給付から軽度者を切り離す介護保険制度改正、介護人材確保策の手詰まりなど、平成30年の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて課題が山積する中で、国政の場で矢面に立つ国会議員がいることの意義は大きく、大いに活躍していただきたい。
 昨年増床したユニット型施設では、長期入所利用者の受け入れを5月から開始し、20名の方が新たな環境の中で生活を始めています。利用者の中には、遠方の施設へ避難し、家族と遠く離れての生活を乗り越え、地元に戻られた方も数名おられ、馴染みの方言を耳にして故郷に戻ってこられた事をしみじみと実感し、喜ばれています。過去を取り戻す事はできませんが、新たな出会いを大切に共に良い関係性を築き上げ、穏やかに生活できる支援を提供していきたいと思っています。
 話は変わって、連日、日本選手の活躍で沸くリオオリンピックですが、選手が自己の能力を最大限に発揮できている陰には、コーチをはじめとして多くのスタッフの支えがあってこそと思いますよね。競泳男子800mリレーで銅メダルを獲得した日本男子チームには感動しましたが、表彰式後に、北島康介選手のコーチだった事でも有名な平井伯昌コーチと握手を交わした後、側にいた女性コーチらしき方の首に全員が銅メダルをかけ、5人の集合写真を平井コーチが撮っているシーンがテレビに映し出されました。パフォーマンスを発揮し注目を浴びるのは選手自身ですが、あの女性コーチが選手たちに対しどれだけの情熱を注ぎ下支えしてきたのか、選手たちはそのことをどれほど意識してオリンピックの舞台で戦ったのか、互いの意識が強く共有出来ていた事が伺えるワンシーンでした。
 職員に「どうして介護の仕事に就こうと思ったの?」と尋ねると、「ありがとう!と言われたのが嬉しくて人の役に立ちたいと思って」と答える者が多いのですが、まさに最大の理由でありその感情を忘れず持ち続けることは大事なことです。しかし、人は助けてもらえると最初は無条件に「ありがとう」と言うのですが、少し慣れてくると同じ事をしてもらっても「やってもらって当たり前」、さらに進むと「なぜもっとやってくれないの?」という感情になるそうです。確かに心当たりはあります。そんな人間の感情に対し、常に相手の想像の上を行く支援を提供することで、相手に「ありがとう」と言ってもらい続けることが、人に関わる職業の者にとっては仕事を続けて行くモチベーションを持続する方策なのでしょうね。日本競泳コーチ陣のプロフェッショナルな仕事ぶりが見てとれるワンシーンでした。

【文:施設長 菅原】


2016年2月12日(金曜日)

【 シニア層の動向 】

カテゴリー: 20時36分29秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 南相馬福祉会では、平成28226日(金)に郡山市のビッグパレットふくしま及び228日(日)に福島市のホテル福島グリーンパレスで開催される「福祉の職場合同就職説明会」に参加します。(※詳しくは、福島県社会福祉協議会ホームページをご覧ください。)

 226日の説明会では、「 〜伝えたい!福祉の仕事の魅力〜 働く職員からのメッセージ」として就職体験談を語るイベントに法人所属職員を派遣し、福祉の仕事の魅力と法人のアピールをする予定です。全国社会福祉協議会が運営する就活サイト「福祉のお仕事」への求人情報掲載により数件の県外在住者からの問い合わせもありました。

 福島県社会福祉協議会では、「平成26年度福祉職場への就職希望者意向調査報告」において、福島県福祉人材センターに登録している求職者215名の就職にあたっての意向・就職活動の状況等をアンケート調査し報告書にまとめました。調査結果は以下とおりとなっています。

(性別・年齢)

   ・「40歳〜50歳代」の割合が高く54.5%、「60歳以上」は17.7%と平成19年度の約8倍でシニア層の登録者の増加が顕著

(勤務経験)

   ・6割の方が福祉職場の勤務経験なし

(雇用形態)

   ・「正職員」希望が30.7

   ・「正職員」希望だが、条件によっては「非正規職員」でも良いが24.7

   ・「パート等非正規職員」希望が29.8

   ・「パート等非正規職員」希望の割合が増えてきており、60歳以上の5割が「パート等非正規職員」を希望

   ・6割が「夜勤不可」

(希望賃金)

   ・「15万円〜20万円」が30.0%、「5万円〜10万円」が24.7%となっており、「パート等非正規職員」希望者が増えたことから低い賃金希望の割合が増えている

(求職活動する理由)

・「雇用契約・契約期間満了」が24.7%と定年退職後に求職活動を行っていることが考えられ 

 る

(福祉分野を希望する理由)

   ・「人や社会の役に立ちたい」が34.9%で給与等よりも仕事のやりがいを重視

(就職先を選ぶ上で重要視する事柄)

   ・「通勤距離・通勤の便利さ」が48.8%で特に女性に多く見られるが、「職場の人間関係や雰囲気」を重要視するのはどの年代でも共通するものとなっている

(求職活動で困っていること)

   ・「資格制限」があることが26.0%、「福祉経験が不足」が24.7%、「年齢制限」が23.3%となっており、「年齢制限「と回答の8割が50歳〜60歳代で年齢が求人側とのミスマッチになっている

(就労後の継続性)

   ・「一箇所で長期的に働きたい」46.0%、「こだわりがない」が41.9%とほぼ同じ割合となっているが、20歳代の8割が「一箇所で長期的に働きたい」と回答

(求人情報の取得方法)

   ・20歳代の6割強は「インターネットを活用」している

 これらの調査結果からも、人材確保の方策として60歳以上のシニア層の取り込み、インターネッ

トを活用した若年層への求人情報発信の強化が課題として浮かび上がってきます。

当法人では、無資格での正規職員採用や60歳定年後の65歳までの再雇用制度、60歳を超え

る臨時職員の雇用などの体制を整備していますが、今後は65歳を超えても短時間労働に限り雇用する制度の整備を検討しなければなりません。また、この地域が抱える賃金の急上昇の影響から、臨時職員の日額給、時間給も見直す必要に迫られています。

  高度経済成長に支えられお金で物やサービスを買う時代が長く続きましたが、少子高齢社会という社会構造の変化に伴い、お金で物は買えてもサービスは買えない時代となる事を恐れています。無いものを新たに作り出す分野はまだまだあると思いますが、介護サービス分野においては無いものねだりだけではなく、サービスを提供する側も受ける側も今ある社会資源にしっかり目を向けて効率よく活用する大胆な発想が求められてくるのではないかと思っています。

【文:施設長 菅原 武】

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2015年11月13日(金曜日)

【ユニット型小規模介護福祉施設開設】

カテゴリー: 23時30分23秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

  南相馬福祉会が平成25年度から整備を進めてきたユニット型小規模介護福祉施設(万葉園増床。長期入所30床、短期入所10床)が完成し、11月1日より運営を開始しました。介護職員の配置不足から当面は(介護予防)短期入所事業の運営のみとしています。

 万葉園が鹿島区(旧鹿島町)に整備されたのが平成14年12月でした。その当時は、介護保険がスタートし間もない頃で、短期入所の需要が少ないと見込まれていましたので、認知症対応型共同生活介護(グループホームたんぽぽ)を併設した施設として整備されました。その後、介護保険が認知され、短期入所の利便性が浸透するにつれ、鹿島区にも短期入所事業所の整備をという地域の声が高まっていました。ここにようやく待望の短期入所事業所を整備できたことは、この地域で活動する当法人にとって、地域への最大限の貢献と考えております。

 今回整備した施設は、短期入所10床を併設する計40床のユニット型施設で、敷地面積の関係から自由な設計とはいきませんでしたが、これまでユニット型施設及びグループホームを複数整備してきた経験から、利用者にも職員にもコンパクトな動線で生活しやすい施設となったと考えています。どのような建物空間や設備であっても、そこに生活する人の工夫次第で自分達らしい生活空間を作り上げていってもらいたいと思います。

 

ユニット型01  ユニット型02

 1963年老人福祉法制定による措置制度のなかで、特別養護老人ホームの設計は病院をモデルとして建設されてきました。2000年の介護保険法施行により、施設建物は介護保険の理念である「自立支援と尊厳の保持」を実現するため『収容モデル』から『住まいモデル』へと転換され、その型が『ユニット型施設』です。ハード面では「多床室・大集団」から「個室・小規模」へ、ソフト面では「集団ケア・定時ケア」から「個別ケア・随時ケア」へとケアの提供スタイルが変化してきました。個々人の人権、生活スタイルが尊重される時代の中では当然の流れのことです。

 では、多床室を持つ旧来型の施設ではユニットケアの提供は困難なのでしょうか。旧来型の施設で働く職員は少しもそのようなことは思っていません。万葉園も福寿園も設備面に不便さはありますが、大集団を小規模人数に区切ってユニット化し、固定化した職員配置の元、個別・随時ケアに取り組んでいます。不便さがあるがゆえ日々様々な創意工夫を持ってケアにあたっています。ユニット型施設では設備機能が充実していることから、質の高いケアを展開してもらいたいと望んでいます。

 話題は少しずれますが、10月に「全国老人福祉施設研究会議 山形会議」に参加する機会がありました。その会議の講演者の中に、NHK「ハートネットTV」制作参加、「おはよう21」紙面制作、福島県社会福祉協議会・福島県・復興庁共催「就職フェア」の企画制作など、医療福祉関連のイベントなどをクリエーターと協力し、医療福祉業界を魅力的にプロデユースする「NPO法人 ubdbe(ウブドベ)」 代表理事 西勇樹氏の講演がありました。彼の服装や言動から、正直「いったい何なんだ、彼は?」といった感想をもってしまったのですが、彼の医療福祉業界を活性化するといった熱意は本物だと感じました。私は古い考えの人間なのですぐには受け止めきれない部分もありますが、次世代に医療福祉の仕事が受け入れられるためには、もっと多くの人々に医療福祉の業界のことを知ってもらう必要があり、彼らの感性、発想力、行動力は魅力的であると感じました。ぜひ一度、彼らのホームページを検索してみて下さい。彼らが企画制作した福島県社会福祉協議会等共催の「就職フェア」は東京、仙台で開催されましたが、福島県内の福祉施設介護職員が「バーカウンター」内でお酒を出しながらフェア参加者と直に語り合うというコーナーもありました。どの業界でも若者がその感性とパワーあふれる行動力を魅せることで活性化します。優しさだけでない、その内に秘めたパワーを発揮することを期待します。

【文:施設長 菅原 武】

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2015年6月8日(月曜日)

【介護報酬改定の影響】

カテゴリー: 09時59分10秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■
 新たな介護保険制度・報酬改定からひと月が経過し、平成27年4月提供分の国保連・個人請求事務を終えました。
 万葉園では、前年同月比−5%というデータとなりました。万葉園の平成26年度介護保険事業収入総額は183,959千円でしたので、ここから平成27年度介護保険事業収入総額は174,761千円、−9,198千円の減収と試算されます。中堅職員2名分の年収に相当し、大変厳しい数字となります。
 一方で、介護職員の処遇を改善するための介護職員処遇改善加算の給付割合が2.5%から3.9%となりました。これは介護職員一人当たり12,000円/月の賃金改善額に該当する水準と厚労省は説明しています。万葉園の介護職員は20名(育児休暇、療養休暇を除く:H27.5.1現在)が勤務していますので、20名×12,000円×12月=2,880千円の賃金改善を実施しなければならないのです。介護職員処遇改善加算は、介護職員処遇改善加算額を上回る介護職員の賃金改善(給料、手当等のUP)を行っている場合に給付されるものであり、厚労省の指摘するペースで賃金を改善していけば事業運営を圧迫することは間違いありません。どこの業界に赤字決算であるにも関わらず人件費を上昇させる会社があるのでしょうか。 
 運営基準では、利用者3人に対し介護職員1名の配置を義務付けており、万葉園の場合は、利用者が50名ですので、16.6名の介護職員配置が基準となります。介護報酬の仕組みはこの16.6名が生活していけることを想定した給与が払えるような基準で報酬額が設定されています。先に述べたように万葉園には常勤換算で21.5名の介護・介助職員がおり、4.9名多く配置しているのです。運営基準どおりの配置職員で介護を続けたら、すぐに職員は疲弊し離職者は増え続けます。どこの事業所でも同じように運営基準以上の職員配置をしています。それでも疲弊しています。そのため、介護職員の配置人数を増やしたいのですが、この多く配置した職員の給与は介護報酬の中では考慮されていません。基準どおりの職員配置をしている事業所でも基準以上の職員配置をしている事業所でも報酬単価は一緒なのです。国は「介護はマンパワーだ! 質の高いサービスを!」と指導し続けながら、多くの介護職員を雇い続けられない施策を打ち出す態度は、欺瞞としか言いようがありません。
 介護報酬単価は1単位が10円に換算されます。万葉園のような特養(多床室)に入所されている要介護5の方の1ヶ月の施設サービス費は、861単位/日です。861単位/日×30日×10円=258,300円が施設の収入となります。しかし、東京都(特別区)は、この報酬単価1単位が12円と設定されており、861単位/日×30日×12円=30,9,960円となります。つまり、同じ条件の方に同じようなサービスを提供していても万葉園と東京の施設では、月に一人当たり実に51,660円もの収入の差が出るのです。東京の施設で行われているサービスの質は、この差額分に相当する程高いレベルのものなのでしょうか。国は、「大都市圏は物価等の負担が大きい」ことのみを理由に報酬単価に差をつけています。様々な障害を乗り越えて震災からの復興に懸命になっている被災地をある一定期間「復興特区」指定し、報酬単価の上乗せを設定することなど何が難しいのでしょうか。

 

                                【文:施設長 菅原 武】


2015年2月4日(水曜日)

寒中見舞い申し上げます

カテゴリー: 18時05分28秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 暦のうえでは、大寒が過ぎ春に向かっているところですが、この地方は2月が一番寒い季節で、まだまだ寒い日が続きそうです。インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が猛威を奮っていますので、十分注意をしたいものです。

 先日、南相馬市の高齢者を取り巻く現状の特集を制作しているNHKの取材を受けました。震災・原発事故後に増床や再開した事業所などが職員不足によりベッドを空けている現状がありますが、万葉園増床では職員確保に見通しはあるのか、職員確保の困難が続くこの地区で、施設整備を行っても利用者を受け入れることができなければ単に介護保険料の上昇だけを招くだけではないのかとの質問を受けました。

 万葉園増床計画は震災前からの計画であり、これまでこの地区に整備されてこなかった地域住民の念願である短期入所生活介護(ショートステイ)床を整備することを第一としており、第二には介護保険制度の構造的欠陥なのですが、50床の施設では職員給与等の経費上昇に伴い経営が成り立たなくなる報酬体系になっていることから、安定的運営が可能な床数にすることを目的としています。万葉園のような施設が安定的に事業運営を継続するには、増床以外に方法はないのです。

 社会福祉法人は事業を展開するその地域に存在し続けることを第一の使命としていますが、単にそこに存在し、現状のサービスを維持するだけの守りの姿勢ではいけないと思っています。もうひとつの役割として、地域に安心感をもたらす存在(シンボル)で在り続けなければならない、常に前進・チャレンジし、メッセージを送り続ける姿勢こそが重要なのではないかと考えています。

 増床工事竣工後、直ちに事業運営開始に至らない事態も発生するかもしれません。多くの皆様にお叱りを受けるかもしれません。しかし、上手くいかないかもしれないので歩みを止めよう、大変そうだから手を出さないようにしようという姿勢にはなりたくありません。

 徐々にではありますが、県外からの就業希望者や新たに資格を取得した就業希望者も増えてきています。来月には福島県社会福祉協議会がコーディネートする県外からの就業希望者による浜通り地区高齢者・障害者施設への「現地施設見学ツアー」が3日間(4コース)開催されます。各コース10名以上の申し込みがあるそうです。

 NHKの番組制作スタッフには、この地区の現状や課題を伝えるだけでなく、そこには小さいかもしれないが勇気や希望も存在していることも掘り起こして伝えてもらえたら嬉しいと話しました。

                               【文:施設長 菅原】


2014年9月29日(月曜日)

「敬老の日」に思うこと

カテゴリー: 11時24分26秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 万葉園に赴任し3回目の敬老の日を迎えました。9月17日(水)に「万葉園・たんぽぽ・なごみの家敬老会」を催し、万葉園11名、たんぽぽ3名、なごみの家2名、計16名の祝い歳の方々に賀寿状を贈呈させていただきました。この内には、百一賀、百二賀と2名の百歳を超えられた方もおいでになります。みなさんそれぞれに、元気に賀寿状を受け取っていただき、記念撮影も楽しまれていました。

 

 敬老会での施設長あいさつのため、南相馬市の高齢化率について調べてみました。以下のデータは、「南相馬市 統計情報 小高区・鹿島区・原町区の年齢別人口」より引用しています。

 

 

 平成26年6月30日現在

  南相馬市の総人口   63,731人

     65歳以上   19,414人(高齢化率29.99%)

       小高区    3,478人( 〃  31.12%)

       鹿島区    3,343人( 〃  30.82%)

       原町区   12,593人( 〃  29.48%)

    100歳以上       37人

       最高齢      109歳

 

 これを2年前と比較してみました。

 

 平成24年6月30日現在

  南相馬市の総人口   66,091人

     65歳以上   18,193人(高齢化率27.53%)

       小高区    3,328人( 〃  28.16%)

       鹿島区    3,193人( 〃  29.28%)

       原町区   11.672人( 〃  26.92%)

    100歳以上       26人

       最高齢      107歳

 

 

 高齢化率では2.46ポイント上昇しています。わずか2年の間にこれだけの上昇は、いよいよ団塊世代の方々が65歳以上になってきたことを示すものです。

 

ここで興味深い数字がありました。0歳児の人口です。平成24年6月現在は 506人だったのが、平成26年6月現在は530人となっています。毎年500人以上の新生児がこの南相馬市で誕生しているのです。私の生活する印象では、乳幼児は極端に減少し毎年200〜300人程度の出生なのかなと感じていましたが、想像を超える数字でちょっとびっくりすると同時にホッとしています。みなさんはどのような印象をもちますか。

 

福島県内では、金山町57.7%、昭和村55.4%と西会津地域が高い高齢化率を示しています。高齢化率の上昇と共に諸問題が持ち上がりますが、かなり以前より指摘されている課題への対応は全く追いついていませんし、消費税3%の増税は社会保障制度の安定的維持のためとの事もしっかり目を光らせていなければどのように活かされるのか心配でなりません。

 

ちょっと嬉しいニュースと悲しいニュースがあります。嬉しいのは、この8月から9月にかけて万葉園3名、なごみの家1名の計4名の新たな介護職の仲間が増えました。このうち避難先からこの地域に戻ってくれた介護経験のある職員が2名、新たに介護職員初任者研修を修了し介護の世界に飛び込んでくれた職員が2名です。この地域の現状に危機感を抱き、高齢者介護サービスの充実こそ地域に安心感を与え、活力ある街づくりに寄与するとの想いから仲間となって勤務してくれている法人職員各位に心より感謝します。

 

悲しいニュースは、親の介護を必要とすることから止むなく退職する職員が1名いることです。これまで共に辛いことも楽しいことも一緒に過ごしてきた仲間が去ることはとても寂しいことなのですが、その一瞬(時期)でしか出来ないこともたくさんあります。今は親の介護を悔いなく全うしてほしいとエールを送ります。退職しても仲間の絆は変わりありません。困ったことがあったら何でも相談してほしいと思います。

 

【万葉園施設長 菅原】

 


2014年8月23日(土曜日)

大きさと味にびっくり!!

カテゴリー: 16時41分32秒

 

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 かねてより震災復興支援をいただいている方から驚きのプレゼントをいただきました。なんとびっくり、60僂里燭ぞ討です。

 このたい焼きは、東海道の宿場町として栄えた丸子宿(現静岡市駿河区丸子)の大鈩不動尊(おおだたらふどうそん)参道に店を構える「丸子峠鯛焼き屋」さんが販売しています。大鈩不動尊は武田信玄の守り本尊、愛宕大権現のお堂と不動明王堂があり、毎月28日の不動尊縁日には多くの参詣者で賑わうそうです。

これを送っていただいた方は、静岡県藤枝市にお住まいで、長らくマグロ漁船に乗っておられたことから“漁業を通じて海と子供たちの未来のために”と様々な活動をなさっており、今回も12時間かけて藤枝市から訪問してくれました。さすが海の男と思わせるバイタリティです。「以前訪問させていただいた時、入居者に“何だまだそんな歳か、おれらからすると鼻たれ小僧だな”と喝を入れられ、逆に元気をもらいました。負けていられませんね」と話されていました。今回は奥様もご一緒だったのですが、「もう静岡では福島のことはほとんど報じられることもなく、現状を知る由もありません。まだまだ多くの支援を必要としている状況なのにね」とおっしゃっておられました。各個人の小さな支援が温かく、心に響きます。

 

H26.7たいやき1  H26.7たいやき2

 

大きな大きなたい焼きは、万葉園、たんぽぽ、なごみの家のご利用者で分けてありがたくいただきました。薄皮で頭から尻尾の先までびっしり甘さ控えめの餡が入っており、とても美味しくいただきました。注文(箱入り3,300円)で全国配送するそうなので皆さんも試されてはいかがですか。お祝い事などにも喜ばれるのではないでしょうか。

 

【文:施設長 菅原】


2014年7月2日(水曜日)

増税にマヒしてしまった?

カテゴリー: 14時58分59秒

 

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 梅雨に入りましたが、ジメジメした肌寒い日と真夏を思わせる暑い日が交互に訪れ、体調管理には注意が必要ですね。さて、平成25年度南相馬市介護保険の運営状況が報告されました。要支援・要介護認定者数はH23において急増し、H24は横ばいでしたが、H25は増加を示し、全国平均の認定率を上回りました。サービス受給者状況では、居宅サービス受給者が前年度比7.9%の伸びを示し、施設サービス受給者は微減でした。

 

≪要支援・要介護認定者数≫(単位:人)

認定者数

内、1号被保険者数

1号認定率

H22年度末

2,613

2,531

13.72%

H23年度末

3,373

3,260

17.99%

H24年度末

3,380

3,271

17.43%

H25年度末

3,640

3,527

18.23%

全国平均

17.80%

 

 さて、4月に行われた消費税増税の影響・・・、みなさん実感されていますか。3%の消費税導入が1989年、3%5%への増税が1997年。いずれも世間は大騒ぎで、首相の退陣など記憶にあります。なぜか今回は静かな感じがするのは私だけでしょうか。お父さんたちにとってはタバコ、コーヒー、お酒などかなり痛手ではないでしょうか。「近い将来には10%になるのだから8%で済んでいるうちは何か得しているな。」なんて感覚なのでしょうか。

 東日本大震災後に『復興予算』として国は大々的に予算措置を行いました。被災地に住む我々もこの予算措置には助けられている部分もあると思いますが、20131月からは、この復興費用を捻出するために、『復興増税』が始まっています。所得税と住民税の増税です。所得税は25年間にわたり納税額に2.1%を上乗せされ、住民税は10年間にわたり納税者一人当たり一律年間1,000円上乗せされています。これに消費税増税ですよ。さらに、じわじわと社会保険料も年々上昇していることを見逃していませんか。ガリガリの私のスネはさらにリアス式海岸のように増税の波に浸食され続けるのでしょうね。

 消費税8%への引き上げに対応するための介護報酬改定が4月にありました。報酬単価が引き上げられたのですが、試算してみると、万葉園は870千円(稼働率93%)、たんぽぽ・なごみの家はそれぞれ100千円の増収です。これで消費税増税対応というのですよ、国(厚労省)は。万葉園での消費税増額は、事業費だけで1,200千円、事務費や固定資産取得支出に係る消費税を含めるとめまいがします。平成274月には3年に1度の介護報酬改定を控えていますが、どうやら減額改定の議論で進んでおり、そこに消費税10%の波が襲ってくれば、介護職員処遇改善という課題に立ち向かう船は思うように進まないことでしょう。

 

【 文:万葉園施設長  菅原 】


2013年3月14日(木曜日)

それぞれの苦悩

カテゴリー: 13時40分59秒

 

茶色だった土手もちらほら緑色が目立つようになってきました。草木の息吹はどんなことがあってもその時期が来ると強い生命力で繰り返されるものですね。

連日、WBC日本代表の奮闘をテレビで観戦しています。日本のトップである代表選手でも負けたくないという緊張感ある試合で、チームの仲間のプレーに一喜一憂する姿はとても人間くさく感じられ、外国チームにはあまり見られない仲間の力を結集して戦おうとする姿に感動させられます。

ここ数日、震災関連の特集番組が多く放映されていました。ある番組で南相馬市の医療・介護現場の苦闘する姿が放送されていました。新規要介護認定者や要支援・要介護状態の悪化者が急増しているデータが紹介され、その状況に支援体制が到底追いついていない現状のレポートでした。万葉園でも連日ご家族が施設入所申し込みにお出でになっています。震災、原発事故の影響による家庭の崩壊と新たな家族のあり方を模索する中で、老老世帯、老齢単身世帯を抱える家族の苦悩、ぶつけどころのない怒りや悲しみがにじみ出てきます。反省しなければならないのは、多くの方々に介護保険制度が十分理解されていないことです。特別養護老人ホームやグループホーム以外の介護保険制度についても話を進めていくうちに徐々にご家族の表情も和らいでいくことがあります。ご家族もとても不安がっている中で、具体的な解決策は提示することは出来ませんが、情報を得て知識を増やすことは少しばかりではありますが安心感に変わることもあると思います。もっともっと在宅での介護を迫られる方々の話を聴く機会を増やす必要性を強く感じました。

先日、要支援2の方のご家族が入所申し込みに来園されました。要支援の方は特別養護老人ホームには入所できないという制度さえ周知されていないのです。ご家族は将来を心配し相談に来られたのでした。お帰りになる際にご家族がボソッと「もっと悪くならないとだめなんだな」とおっしゃった言葉に何も応えられずお見送りするだけでした。

 

万葉園施設長  菅原


2013年2月5日(火曜日)

【夢を語り合う】

カテゴリー: 16時30分40秒

 

 少し前の話になりますが、昨年11月に大学時代のゼミ仲間との同窓会に参加しました。北海道や北信越、関東、福島、岩手などから仙台に集合し実に28年ぶりの再会でした。

 長い年月はそれなりに皆を変貌させているのだろうと待ち合わせ場所の仙台駅に向かいましたが、混雑した人ごみの中でも以外にも直ぐに仲間達を見つけることができました。小・中学生時代と違い大学時代は大人としてほぼ完成されていた時期なので容貌の変化は以外にも少なかったのでした。

 14名の参加者のうち老人福祉施設関係従事者が7名、障害者施設関係従事者が2名、教員4名、公務員1名でした。自ら福祉事業所を立ち上げた者、私もそうですが中途から福祉関係の仕事に従事する者もいて、25年間勤めた会社を辞めてかねてからの夢だった老人福祉施設で働き始めた者もいました。学生時代というかけがえのない時間を共有した友と28年という長い空白の期間を埋める身の上話で大変盛り上がりましたが、皆とても前向きな話でした。人生を生きる中には様々な壁が立ちはだかり、中にはなかなか越えられない壁もありましたが、仲間の話からは自分自身の可能性を信じ、周囲の人を信じ、自分の信じた道を歩み続けてこられたという希望と明るさがありました。学生時代に夢を語り合ったあの時の想いがいき続けているのだと強く感じました。県内の研修会等に参加した時などに話題になるのは自事業所での苦労話や大変に思っていることなど後ろ向きの話が多いのですが、自分自身の考え方次第で行動も変わってくるのだと50歳近くになっても元気な仲間を見ていて再認識しました。逆の見方をすれば、50歳近くになっても落ち着きがないと思われるかもしれませんが・・・。

 思うようにいかないことが多い人生ですが、少ない人数でも自分と同じような夢を持ち想いを共有できる仲間がいることは、貴重な財産であり勇気付けられるものです。「次は還暦のお祝いで集まろうか?」などといい加減な約束をしてそれぞれの地元に帰っていきましたが、健康・体調管理に注意しなければならない歳となっているのでいつまでも無理できると慢心せず、でも夢は熱く語っていこうと思った同窓会でした。

          

万葉園施設長 菅原


2012年12月13日(木曜日)

小規模多機能型居宅介護とは

カテゴリー: 10時49分12秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 南相馬市総合福祉計画(暫定版)において、小規模多機能型居宅介護事業所の整備が位置づけられており、12月14日まで開設を希望する事業者の公募を行っており、平成25年10月頃の開設をお願いすることとしています。事業所が開設されれば相双地区では初の事業所となりますが、皆さんにとってあまり聞き慣れない介護保険事業所ではないでしょうか。

 小規模多機能型居宅介護とは、1箇所の事業所で「通い」を中心に、ご本人の様態や希望に応じて「宿泊」、「訪問」といったサービスを組み合わせて、「自宅で継続して生活するために」必要な支援をしていきます。「通い」で顔なじみになった職員が「宿泊」や「訪問」の際にも対応することが特徴です。介護保険サービスでは、「通い(デイサービス)」「宿泊(ショートステイ)」「訪問(ヘルパー)」をそれぞれ違う事業所で違う職員からサービスを受けるのが一般的ですが、同じ場所で同じ職員から多様なサービスを受けることができることから、環境の変化に敏感な高齢者(特に認知症の方)の不安を和らげることが期待されています。また、小規模多機能型居宅介護では、「通い」「宿泊」「訪問」といった各サービスの内容は細かく定められていません。一人ひとりの生活が異なるように、支援の内容も異なり柔軟に支援されます。事業所は、新たに建築されることが多いのですが、既存の民家を改築して利用されることも少なくありません。そのほうがより家庭的な環境での支援が可能となるからです。以下には、利用の概略を記載します。

 【利用定員】

  登録定員     25人以下

    通いサービス   15人以下(登録者のみ利用可能)

    宿泊サービス    9人以下(登録者のみ利用可能)

    訪問サービス   登録者の居宅を訪問し、居宅においてサービスを行う

 【利用料】 

    利用料は1ヵ月単位の定額制で、サービス費用の1割を負担することになります。

    食費、宿泊費、日常生活費(おむつ代など)などが利用者自己負担となります。

     小規模多機能型居宅介護は、その名のとおり多様な機能を持つことからその普及に大変な期待が寄せられていますが、厳しい事業運営であることが現状です。平成22年度の実態調査では、全国の事業所の半数が赤字経営となっています。要因は、多様なサービスを提供することから多くの職員数を確保することが必要となるがその現状に見合った介護報酬となっていないこと、登録者数が増えないことが挙げられています。介護報酬の低さは小規模多機能型居宅介護だけの問題ではありませんが、特に低い報酬設定となっています。さらに小規模多機能型居宅介護事業所に登録した利用者はその他の事業所の通い、宿泊、訪問サービスを利用できないことになっており、このことに不便さを感じることから登録者が定数に満たない事業所が多いようです。とはいえ、44%程度の事業所では黒字となっていることからこれも事業所の工夫次第なのかも知れません。

     当法人が石神地区に整備している認知症対応型共同生活介護(グループホーム)も順調に進行しており、計画通り平成25年3月には開所できる予定です。認知症高齢者がなじみの地域でその人らしく生活を継続することができるよう支援するとの理念から整備される認知症対応型共同生活介護と小規模多機能型居宅介護が整備されることは、認知症高齢者を抱える家族や本人にとって待ち望むことであり、今回の公募に多くの事業者が応募してもらえればよいと切に願っています。

 

万葉園施設長  菅原


2012年10月24日(水曜日)

【防災計画策定の難しさ】

カテゴリー: 18時01分52秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

内閣府の中央防災会議において、政府の防災基本計画が修正されたことにともない、介護保険分野の地域防災計画の見直しも進められています。

主な見直し点は、被災施設から他施設への避難(避難受入れに関する防災協定の締結)、介護職員等の応援派遣の体制整備(災害派遣介護チームの整備)、在宅要介護者等の安全確保策(在宅要介護者安否確認事業者の指定)となっています。

当法人も今回の災害において自施設からの避難を経験し、災害協定の重要性は認識しておりますが、肝心な避難時の移送方法については行政の関わりについて何も触れられていません。施設間相互において協定を結んでいたとしても現実問題として短時間に安全に要介護者を移送することは、事業者が最善を尽せる範疇をはるかに超えています。避難移送に関しては、今回の原子力発電所事故に伴う避難移送を教訓に行政が積極的に体制を整備すべきだと考えます。

さらにもっと心配な点が、在宅要介護者等の安全確保策です。在宅要介護者安否確認事業者の指定は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、要介護者に介護サービスを提供している事業者が考えられています。何から何まで末端の組織に丸投げされてしまいそうです。地域包括支援センターは、担当地域が広範囲であるにもかかわらず、3〜4名で多岐にわたる業務を行っています。当法人が受託する原町東地域包括センターでも担当区域内に5,998人(H24.5現在)の要援護高齢者がおり、その実態把握調査は421人しか終えていません。調査を終えた段階で介護サービスが必要な方には予防給付プラン管理を行いますが、毎月113名(H24.10現在)の方の管理を毎月行っています。居宅介護支援事業所も1人のケアマネジャーが30〜35名の方を担当しており、災害時にこれらの少人数の職員で担当する方の安否確認や避難誘導が円滑に迅速に出来るとは到底考えられません。現に今回の震災でも当法人の地域包括支援センター、居宅介護支援事業所の職員が安否確認に奔走しましたが、交通網、通信網の寸断によりほとんどといっていいほど確認が出来ませんでした。さらに自宅を離れて既に避難してしまった後は、連絡の取りようもなく途方にくれるのが目に見えています。先の実態把握調査では、地域包括支援センター担当区域には、独居世帯が106名、高齢世帯が147名おられ時間と資源が限られてしまう災害等による緊急時対応を地域包括支援センター職員のみで行うことには限界が生じると考えます。

介護保険制度の枠組みで相談やサービスの提供に応じている事業者が、自らの責務において安否確認の努力をすることは当然ですが、頭ごなしに制度化することは現実を直視していないとしか思えません。大規模な災害時には、直ぐ傍で生活している地域住民の力をお借りすることが時間の短縮と確実性を増すものと考えます。不特定多数の方々の協力を得るということは、制度化しにくいものであることは理解できますが、何のための体制整備なのか、実効性のあるものとして制度設計してもらいたいと強く願っています。

 

                万葉園施設長 菅原


2012年9月7日(金曜日)

【被災者支援の国の想い】

カテゴリー: 17時00分19秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 原町区、鹿島区の事業所での夏祭り(納涼祭)も多くの地域住民の皆様にも参加いただき盛大に無事終えることが出来ました。今年はとりわけ猛暑の中での開催となり、職員はもとよりご協力いただいた地域の方々には心より感謝申し上げます。

 話は変わりますが、原発事故の警戒区域等の居住者への高速道路無料措置が平成24年9月30日で終了する予定のようです。当法人では、岩手県や神奈川県に家族を残し勤務を続けてくれている職員がいます。福島市や名取市など遠方から通う職員もいます。これらを含め自らの生活を犠牲にして勤務してくれる多くの職員達に支えられ事業を継続しているのが現状なのです。

やむを得ず遠方に家族を避難させ当地に一人残り勤務する方々にとって家族との大切な時間を共有するために移動時間の短縮と経済的負担の軽減のために、また、仮設住宅という息が詰まる居住環境や復興の姿がなかなか見えない経済状況の中で日々ストレスを感じ、たまには遠出をして気分転換をしたいという多くの県民にとって高速道路無料措置は大変有難いものです。東北の産業は観光業も大きなウェートを占めており、風評被害や経済活動の冷え込み等より以前のような営業活動が出来ない観光地も多くあります。高速道路の無料化措置は被災にあえぐ人々にとっても、地域経済にとっても大変有意義なものだと感じています。これら無料化措置にかかる費用は、具体的な効果が見えないともいわれる除染費用と比して相当の費用対効果があるのではないかと感じています。何より国の被災者支援の想いがはっきりと形になって理解できるものなのではないかと思っています。4月に警戒区域解除準備区域に指定された南相馬市小高区には全国から多くのボランティアの方々が駆けつけてくれています。善意がはっきりと形になって目に見える活動により、駆けつけてくれた方々のその想いはとても強く感じることが出来ています。政治家の皆さんにも是非とも無料措置の再延長を通じ被災者支援の想いを体現していただきたいものです。

 長距離通勤・運転をする職員諸君、決して無理することなく、くれぐれも安全運転第一を心がけてください。原発事故によりやむなく職場を去った多くの同僚のように大切な人財をもうこれ以上失いたくはありませんよ。

        

       ( 万葉園施設長  菅原 )


2012年5月22日(火曜日)

【万葉園に着任して】

カテゴリー: 09時54分05秒

 ■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 万葉園に着任し2ヵ月が過ぎました。震災避難による利用定員超過の状態から、福寿園の再開により利用者数、職員数ともに震災以前の状態に戻るとともに、落ち着いた施設生活に戻っています。

 新年度にあたり、施設運営に欠かせない各種委員、協力員等の委嘱が概ね終了しました。施設運営は多くの地域の皆様のご理解、ご協力の上に成り立っており、皆様もそれぞれに被災され大変な状況の中でも快くお引き受けいただきましたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。

 今回はこれら委員、協力員等の役割についてお話したいと思います。施設の運営では、入所検討第三者委員、非常災害等協力員、苦情解決第三者委員、グループホーム運営推進委員として地域の皆様に役割をお願いさせていただいております。

 入所検討第三者委員は、2名の方に2年間委嘱しており、入所指針に基づき、お申し込みいただいている利用者の優先入所順位の決定をお願いしております。地域の実情に詳しくかつ介護保険事業にも精通されている方にお願いしています。

 非常災害等協力員は、施設近隣にお住まいで火災等の非常時に施設利用者の迅速な避難誘導協力のため駆けつけていただける方をお願いしています。今回は、30名の方に2年間ご協力をいただけることになりました。ほとんどが自らの力で避難のできない利用者を一刻を争う状況の中で避難させるには施設職員だけでは到底不可能であり、非常災害協力員の皆様のお力は大変心強いものとなっています。また、非常災害等協力員の皆様には、施設で行う諸行事等にもご参加いただき、施設利用者との交流を通して顔なじみの関係性を築き、円滑な非常時の避難誘導と施設運営にもご協力いただいております。

 苦情解決第三者委員は、苦情解決に社会性や客観性を確保し、利用者の立場や特性に配慮した適切な対応を推進するため、施設に寄せられる苦情、要望に対し施設側が行った解決経緯を説明しアドバイスをいただくことをお願いしています。また、施設側に直接言いにくい状況にある場合など、苦情解決第三者委員に直接苦情、要望を寄せていただき、施設側と利用者側の中立的立場から問題解決の道案内人としてのスーパーバイザー的役割も同時にお願いしており、当法人のホームページ等でも苦情解決第三者委員の連絡先をお知らせしています。現在4名の方に委嘱いたしていますが、苦情解決を円滑、円満に図ることができ、社会福祉事業に関心を有し信頼性を有する方という観点から特に任期を定めず委員を務めていただいています。

 グループホーム運営推進委員は、グループホームが実施するサービス提供に関する活動状況の報告を受けて、必要な評価並びに意見や要望、助言などを行いサービスの質の確保に資する役割を担っていただいております。委員の任期は2年間で、南相馬市職員または地域包括支援センター職員、利用者家族、地域住民代表、その他認知症対応型共同生活介護について知見を有する方等、6名以内で構成されています。

 これら施設運営に欠かせない重要な役割をお願いしている方々の他に、万葉園では「万葉園ボランティア」を独自に組織していただき、38名の方々が、毎日の洗濯物たたみ、除草作業、納涼祭・芸術祭・だんごさし等行事への協力、書道・歌謡・押花クラブ活動等、年間を通して数多くの活動を行っていただいており、地域に開かれた施設運営を標榜する当施設には欠かせない存在となっていただいています。

 施設運営では、施設職員の質の向上のための施設独自の施策を展開することは重要ですが、施設に気軽に足を運んでいただける地域の皆様との関係性つくりを通して、そこに働く者の社会性や客観性を向上させ、そのことが社会的存在意義を持つ高齢者施設のあるべき姿を考える基礎となると考えておりますので、地域の皆様には引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

 

                         万葉園施設長 菅原 武


2012年2月1日(水曜日)

応急仮設住宅にグループホーム型仮設住宅の建設が進む(3)

カテゴリー: 15時10分50秒

12月26日、グループホームなごみの家も消防検査、福島県の検査も終了し引渡しを受け、開設に向けてカウントダウンとなってきました。

1月11日に開所式、翌日12日から入居者の皆さんを迎えることで計画していますが、年末年始、成人の日の連休等を除くと、今年は2日、新年は4日しか準備時間がありません。

なぜそんなに急ぐのかと思われるかもしれませんが、今回の計画を受けるに至っては、

国民お一人おひとりの貴重な税金が使われる事業である以上、建物引渡しから間を置かないで開設にこぎつけるという目標を掲げて取り組んできたからです。

その目標を掲げた理由は、他の仮設型施設では引渡しから2ヵ月後の開設となってしまったという情報があったためです。緻密な準備が必要で、特に自前で対応できない事項は早め早めに手続きする必要がありました。

建物は出来たが電話工事の予約をしなかったため電話工事が2ヵ月後となり、そのために非常通報装置が対応できず消防検査を受けられなかったなど例をアドバイスいただき、準備を進めてきました。

1月から配属になる職員も一同に会します。短い期間ですが施設の運営方針、理念等を共有し、新たな魂を入れて運営に当って参りたいと心に言い聞かせています。

※ホームページの調子が悪かった為、時期外れな内容になってます。ご了承ください。

和みの家外観和みの家台所

和みの家リビング和みの家リビング

           【万葉園・たんぽぽ 施設長 大内 敏文】

 

 


2009年12月28日(月曜日)

【新たな高齢者介護に関わる課題】

カテゴリー: 16時40分42秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

これまで、施設長日記で老老介護、認認介護、介護による離職、近親者がいない方への介護問題などを記載してきたが、あるテレビで報道していた「限界団地」に関わる介護問題が身近になってきていると感じている。

 

東京都の昭和30年代に入居が始まった2つの大きな都営団地で一部高齢化率が50%を超える団地となり様々な介護問題外にガン末期の家族いたり高齢者を狙った詐欺が相次いだりと、支援困難家庭が増加し、高齢化する民生委員も「もう限界」とため息をつくというのである。

 

包括支援センターが創設され地域の問題を把握し、相談を受け問題解決に奮闘しているが、介護予防プラン作成に時間を取られ、本来の業務が充分できないというのが現状である。

 

そもそも「限界団地」とは、「限界集落」を意味する中山間地や離島を中心に過疎化・高齢化の進行で急速に増え、このような状態となった集落では、集落の自治、生活道路の管理、冠婚葬祭など共同体としての機能が急速に衰えてしまい、やがて消滅に向かうとされている。共同体として生きていくための「限界」として表現されている。もはや就学児童より下の世代が存在せず、独居老人やその予備軍のみが残っている集落に例え、高齢化率が50%を超えた団地を指したものであると理解している。

 

当南相馬市は、人口7万程度の町であるが、年々高齢化率が上昇し25%を超えた。しかし、限界団地というイメージの団地は連想していなかった。近頃造成された団地などは様々な色合いや形状の異なる建物が立ち並び、庭には子供の遊具や自転車が目立ち若い世代の世帯が住む活気ある団地も市内で目にして来た。

 

先日、正確に分からないが昭和30年代頃に分譲された市役所西地区の団地の知り合いを訪ねる機会があり、場所が分からず30分程探しながら団地内を歩いた。若い世代が暮らす団地の雰囲気は感じられず、一見して誰も住んでいないと分かる家があちらこちらにある。庭は、草が生い茂り、長年剪定されていない庭木が生い茂っている。子供の姿も声もない。ただ静かに時が流れているという感覚が伝わってくる。子供が生まれ、親元から巣立ち2代3代と親と同居するという環境や考えが薄くなって多数の高齢者が住む団地となったのだと思われる。

 

このような団地が、今後抱える高齢者問題を考えると多数の住民は住み慣れたこの団地,家で過ごして行きたいと考えていると思われる。この思いを叶えるために法人としてなにができ、なにをしなければならないかを検討し具体化する時間は、そう長く待ってくれないような気がする。

 

【文:万葉園・たんぽぽ施設長 大内】

 


2009年11月20日(金曜日)

【グル−プホ−ムたんぽぽのスプリンクラー設置工事が始まる】

カテゴリー: 17時52分41秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■

 9月25日開催の理事会で承認を得たグル−プホ−ムたんぽぽのスプリンクラー工事が、本格的に始まった。

 施設長GH1

足場を設置しての工事

 

この工事は、平成18年1月8日に長崎県のグループホームで発生した火災により多数の入居者の方々が焼死され、これを機に認知症高齢者グループホーム等の社会福祉施設の防火安全対策等の強化の観点から、消防用設備等の設置基準が見直され、平成19年6月13日に消防法施行令が改正された。

この改正により、延べ床面積275岼幣紕院ぃ娃娃悪嵬にの小規模の福祉施設についてもスプリンクラー設備の設置義務が課せられ、経過措置により平成24年3月末日までに対象施設は設置することになる。

たんぽぽは、平成14年12月に開設し、延べ床面積が350屬箸いΔ海箸如当時はスプリンクラーの設置は義務ではなかった。

しかし、近年の社会福祉施設においても甚大な被害をもたらす火災が発生している。検証してみると。

 

1、平成18年1月8日

  長崎県大村市  認知症高齢者グループホーム

          建物全焼  死者7人、負傷者3人

2、平成20年6月2日

  神奈川県綾瀬市 知的障がい者施設

          1棟全焼  死者3人、負傷者1人

3、平成20年11月13日

  宮城県仙台市  有料老人ホーム

          1棟部分焼 負傷者33人

4、平成20年12月26日  

  福島県いわき市 小規模多機能居宅介護事業施設

          鉄骨作り2階建て 

          25%焼損 死者2人、負傷者3人

5、平成21年3月19日

   群馬県渋川市 有料老人ホーム

          2棟全焼、1棟半焼  死者10人、負傷者1人

  上記の通り、多くの施設利用者が犠牲になっている。

 

 

グループホームの利用者が夜間の火災などで犠牲者が多くなってしまう原因として、スプリンクラーのように火災発生時に有効な消火設備が設置されていないことや少数であると思うが防火管理者を選任せず日頃の防災訓練が実施されていない施設もあると聞く。しかし、職員からみた最大の不安は夜勤者が1人という問題である。

特別養護老人ホ−ムであれば、夜間の配置基準は、定員50人で2人、100人で4人の職員を配置することとなっている。他に宿直者(管理人)として1人を配置している施設がほとんどである。

グループホームは、現在1ユニット(1つの建物)の定員が9人程で、2ユニットまでの設置が一般的に認められている。2ユニットであれば利用者が18人程度になる。

夜勤者の配置基準は、1ユニットの施設でも2ニットの施設でも1人である。

もし、1人で夜勤をし、18人の利用者があり、設置場所が民家もない山間地に位置し、木造建築の建物から出火した場合、だれも駆けつけてくれない条件の中、パニックの中で初期消火を失敗し、炎が天井まで燃え上がり、停電による暗闇の中で消防に通報し、2つの建物で睡眠を取っている18人の利用者(車椅子利用者の方もいるだろうし、認知症状により誘導なくして避難できない方がほとんどである)を、スプリンクラーもなくどんどん延焼し、呼吸もできないくらいの煙が充満する中で、1人の夜勤者(女性職員の比率が高い中)が無事に全員を避難させる事は、大変厳しいものがあると思われる。

当施設のたんぽぽは、1ユニットの施設で、併設する特別養護老人ホ−ムがあり、夜間でも4人(管理人1人を含む)の職員が避難対応できる。また、設置場所が住宅街であり近隣住民の方々に非常災害協力員として災害時に利用者の避難のため協力いただけるよう委嘱を行い、避難訓練などにも参加をいただいている。今回、スプリンクラーを設置することができるが、これでも絶対ということはないと思う。また、今回の改正では面積が275岼焚爾了楡澆魯好廛螢鵐ラーの設置の義務はない。資金の問題もあるが、なにかあってからでは遅い。早めの設置が必要と考える。

今回の工事でご利用者には迷惑を掛けている。夜間はグループホームに戻り食事や睡眠はこれまでどおりできるが、2、3日間、日中は特養の食堂や近くの老人福祉センターで過ごすことになる。職員たちにも変わった環境の中での生活になることから、利用者の皆さんが過ごしやすい取り組みや環境を整えていただいた。利用者の皆さん、もう少しの間ご協力をお願いします。

 

 施設長GH4  施設長GH2   

 紙芝居を楽しむ            動物の訪問による交流

 

【文:万葉園・たんぽぽ施設長 大内】


2009年8月28日(金曜日)

【別々に生活する夫婦の思い】

カテゴリー: 17時22分46秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 特別養護老人ホ−ムの待機者問題で老老介護や認認介護の問題が大きく論議されている。

 昨日、当万葉園の利用待機者の入所順位を協議する入所検討委員会が開催された。「転倒が多く介助が必要で有り、失禁多くオムツ使用、火の不始末、独居世帯」「認知症が有り、配偶者の入院から毎日大声、暴言、介護抵抗有り、オムツ外し、日中は独居」「認知症有り、転倒の恐れ有り常時見守り必要、オムツいじり有り、主介護者死亡により、78歳の長男介護」待機者の現状や介護の必要性を記載したものだ。 

 在宅介護の限界があっての申し込みであり、直ぐにでも利用をしていただきたいと思い起こされる生々しい実態が報告される。老老介護、認認介護、独居世帯、就労者の介護、疾病を持つ介護者による介護、甥、姪等による介護と要介護者が在宅で生活を続けるには、24時間の介護力の限界を感じるケースが多い。

 この頃、こんなケースが多くなってきていると感じることがある。「配偶者が入院となり・・・」「配偶者が認知症になり・・・」「配偶者が介護施設に入所し・・・」夫婦が仲良く長生きできる世の中となったことは嬉しいことであるが、どちらかが体調を崩され「配偶者が・・・」というケースが増えていることだ。

 この中で気になるのが「配偶者が介護施設に入所し・・・」というケースである。

先日、認定調査に行った職員から言われた一言が気になって頭から離れなかった。

「介護を要する状態になった夫婦が、何故、別々の介護福祉施設で生活しなければならないのか」ということへの疑問である。

 職員は、たまたま当施設利用者の配偶者の認定調査の依頼を受け、施設からそう遠くない老人保健施設を利用している配偶者の調査に行った。調査の中で夫の施設での様子などをお聞かせするとなかなか理解できなかったが、別れ際に夫の名前を告げると微笑まれ見送られた。

職員から、なぜいっしょに生活できないのかという投げかけと「奥さんが少しでも分かる内にたくさん面会させてあげたい」ということであった。

 最近、夫の利用者は元気がなくふさぎこんで、妻に会いたいということを洩らしているということも聞いていたので、「奥さんに会いにいきませんか」と訊ねると、予想もしなかったような驚きの顔から笑顔になり「行ってみたい」との話で、私自身がいっしょに行くつもりであったが、担当の介護職員と面会に行かれた。

 後日、「和やかに奥さんとお話をされ、とても嬉しそうでした」との報告を受け、私自身も大変嬉しく感じたことはもちろんだが、これからもご利用者お一人おひとりの思いを大事にして可能な限り職員のチームプレーで関わりを大切にして行きたいと改めて感じた。

 しかし、私が考える問題は解決したわけではない。何十年と苦楽を共にした夫婦が互いに共にする生活を望み、両人とも要介護者で特別養護老人ホ−ム入所の基準を満たすのに夫はA特別養護老人ホ−ム、妻はB老人保健施設で生活することが「しかたないこと」で終わらせてよいのか。

 「公平」「緊急性」から基本的には、入所の基準が有り点数で上位一番が次の入所というルールがあることは理解するが、「いつでも、どこでも安心してサービスを利用できる介護保険制度」からすれば、少しでも早く生活を共にさせてあげたいという思いを叶えさせてあげられないのだろうか。やはり、長年待機されて、緊急性のある方が入所するとの考えを崩してはいけないのだろうか

【文:万葉園・たんぽぽ施設長 大内】


2009年5月14日(木曜日)

【一般特養でも地域の人が地域の施設を利用できるシステムは作れないのか】

カテゴリー: 15時21分11秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 住み慣れた地域で、その人がその人らしく生活できるサービスとして地域密着型サービスが創設された。

 

 そのサービスの中には居宅での日常生活を営むことができるようにと24時間の夜間対応型訪問介護や認知症の方々が利用できる認知症対応型通所介護、訪問、通い、泊りの機能を持つ小規模多機能型居宅介護の他に、居住施設である認知症高齢者のグループホームや定員規模が29人以下の特別養護老人ホ−ムがある。

 

 地域密着型サービスの制度として事業所を開設する許可や指導は保険者である市町村であること。原則として保険者の市町村の住民が利用できることになっている。このことから理念の住み慣れた地域でという表現になっている。

 

 定員が30人を超える特別養護老人ホ−ムは、地域密着型サービスには位置づけられないことから許可や指導は原則、都道府県であり地方都市の南相馬市鹿島区の万葉園には、北海道であろうと沖縄県であろうと申し込みが出来、施設はそれを拒むこと、差をつけることはできない。

 

 これまで、特別養護老人ホ−ムに係ってきて多くの皆さんに問いかけられた。なぜ、南相馬市鹿島区に行政も建設費を支援し土地も提供したのに鹿島区の利用希望者を優先して利用させないのかという問である。

 

 これについては、基本は制度がそうであるからということが正確な解答でないかもしれないが建物を作る場合、その市町村だけが建設費を出しているのではなく国県の補助金も投入されている。介護保険の費用についてもその市町村だけの財源で運用されていないことから、自分の市町村だけ利用させるということは公平でないのかもしれない。

 

 私が住む相馬地方の市町村は、15年ほど前は、2市3町1村で特別養護老人ホ−ムが設置してある市町村は2つで、数も2施設であった。現在は6つの市町村に全て施設があり、数も8施設となっている。基本的には、空があれば自分の住む市町村の施設を利用することができるのである。

 

 当万葉園の現況を見ると50人定数に対して鹿島区の利用者は38%の19人である。なのに鹿島区の待機者は48人にもなる。

 

考え方として、施設立地の利用者を優先すれば、特別養護老人ホ−ムを持たない市町村の利用者は順番がなかなか来ないことになる。

 

 現在、特別養護老人ホ−ムの入居順番は優先入所の基準により認知症状や介護者の状況などに点数をつけ、点数が高い人から順番に入居するという制度である。

 

 しかし、現在はほとんどが住みなれた地域に施設があり、不足すれば市町村ごとの保健福祉計画により施設を整備することができる。

 

 利用者にとっても家族にとっても地域の施設を利用したいとの願いがある。全ての定数利用者を地元の人だけとは言わないが、定数のある程度の割合については、居住地加点のような点数を設け優先入所基準に反映できる制度は間違っているのだろうかと考える。人口規模の小さな市町村の実状も考慮した上で、住み慣れた地域で、住み慣れた地域でというのであれば、その地域の施設を利用することが、その人にとっても家族にとっても幸福に繋がると考える。

 

【文:万葉園・たんぽぽ施設長 大内】


2009年1月28日(水曜日)

【求められる能力と処遇の格差】

カテゴリー: 15時58分15秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 平成21年度介護報酬改定の概要が示され、介護従事者の処遇改善が前面に出されるとともに、「サービスの質」、「介護従事者の能力、専門性」、「キャリアアップ」という言葉が多数記載されている。

 

 介護従事者と言っても幅は広い。直接利用者との生活支援や健康管理に係る介護、看護職員、入退所手続き、家族との連携や生活相談等に係る生活相談員、サービス支援の計画立案に係る介護支援専門員、食事、栄養管理に係る栄養士、機能の向上と維持に係る作業、理学療法士等の機能訓練指導員、他にも医師、調理員、事務員等と様々な従事者が介護事業所に従事している。

 

 また、事業所にも施設事業所、在宅を主とした居宅事業所があり、それぞれの事業所によって業務形態や目的が異なる。

 

 介護職員一つとっても施設やデイサービスのように他職種職員とのチームでサービス提供する事業やホームヘルパーのように基本的に一人の職員でサービスを提供する事業がある。

 

 私は、職種や事業所の別で業務の厳しさを評価するわけではないが、前々から介護に従事する職員の中でも訪問介護事業所のホームヘルパーに求められるものの大きさとサービス実態に敬意を持っている。

 

 ホームヘルパーは、もともと「家庭奉仕員」と呼ばれ、1956年、長野県で病気等のために家庭で家事業務を行うことが困難となった場合に家庭奉仕員を派遣する「家庭養護婦派遣事業」が発祥と言われている。私が福祉の世界に入った30年前にも当時の原町市で一人暮らし高齢世帯等を中心として派遣されていた家庭奉仕員の方々に多くのことを教えていただいたことを懐かしく思い返す。

 

 1962年に全国的に家庭奉仕員制度が拡がり、国庫補助の対象事業となり、1963年に老人福祉法が制定され、主な対象者は一人暮らしの低所得高齢者であり、家事援助を中心とした業務であった。1990年の高齢者福祉整備10カ年計画が打ち出され、初めて「ホームヘルパー」という名称が使われ、食事、排泄、入浴等の身体介護の支援に当たるようになり、2000年の介護保険制度では、訪問介護事業の職員としてホームヘルパーは在宅支援サービスの中心的、重要な役割を担う職種となった。

 

 私が、ホームヘルパーが介護従事者の一員として求められる厳しさと感じているのは

・身体介護においてよりよい介護技術、知識を求められる。

・調理や掃除等の家事援助において個人毎の満足をする援助を求められる。

・明るさ、さわやかさ、礼儀正しさなどを求められる。

・社会情報の話題性を求められる。

・福祉、年金、医療等の専門的な相談に応じる機会からある程度の専門的な知識を求められる。

・やれること、やれないことがあり、その判断と説明能力を求められる。

・資格、経験を求められる。

・リスク管理や緊急時の適切な対応を求められる。

 

 など、施設や他の事業所に従事する介護職員にも等しく求められるものであると思うが、ホームヘルパーは、同僚やサービス提供責任者等の相談相手はいるが、1対1、その場その場で対応することが求められる厳しさは、他の事業所の介護職員から見ても不安と重圧を感じることがあるのではないかと思う。

 

しかし、現状の訪問介護事業所の雇用形態を見ると常勤職員の雇用以外に非定型のパートタイムヘルパーに大きな業務を担ってもらっているのが現状である。一般のパート勤務に比べ時給単価が割高かもしれないが、毎日何時から何時までの勤務ではなく、明日は何時から1時間、数時間おいて何時から30分という勤務形態で、次の日は仕事なしという日もある。現実として一般的に支払われる給与は、サービス提供時間に時給単価で計算されたものが主である。

 

諸外国の中には、公務員として身分を保障されている国々もある。質の向上を求められるのは当然かもしれないが、そこに従事するホームヘルパーが安心と責任感、向上心を持って働ける処遇を保証できるものにしてほしいと感じる。今回の改正案は、その意味で改善できる内容であったのかは・・・・・である。

      【文:万葉園・たんぽぽ施設長大内】


2008年10月21日(火曜日)

【紙おむつに見る少子高齢化問題】

カテゴリー: 16時30分30秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 紙オムツは、1940年代にスウェーデンで乳児用として考案され、当時は吸水性のある紙を何枚も重ねた簡単なものでありましたが、使ってみると使い捨てができ、洗濯も必要ない、取替えも簡単だったことから北欧やヨーロッパ各国に広がり、戦後アメリカに渡った紙オムツは、多くの工夫と改良が加えられて布オムツを超えて普及したそうです。

 日本でも1960年代に販売されましたが、当時は高額であり、物を使い捨てる習慣がない国民性から広く普及することにはなりませんでしたが、1980年代には、働く女性が1千3百万人と増加し、家事の省略化の時代となり普及して行ったそうです。

 大人用オムツは、一般的になじみが薄く、一部病院などで使用されていましたが、一般的には布オムツが中心で、乳児用のような普及はなかったそうです。しかし、1994年に大人用パンツ型紙オムツが発売されると、使用する本人が装着できることから、使用者本人の尊厳ある自立への意欲などの意識が生まれ、現在では、今後の高齢社会を見据えた排泄のあり方をテーマとしたオムツが開発されているようです。

 

 このように乳児用として普及してきた紙オムツは、現在、大人の世界にも当然の普及となっており、在宅、施設、病院を問わず布オムツを目にすることはなくなってしまいました。

先日の新聞報道で興味深い記事がありました。「介護オムツ子供用に迫る市場規模」というような見出しだったと思います。現在深刻化する少子高齢化により、オムツの販売額において大人向けのオムツの方が子供向けをまもなく上回るとの内容であり、記事によれば、国内の紙オムツの売り上げは、2007年で2千4百億円、内、子供向けは1千3百億円で販売額はピークを向かえ、逆に大人向けは年々3〜4%増えているそうです。

深刻な高齢社会の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化や核家族の進行、介護する家族の高齢化などの様々な問題から、高齢者の介護を社会全体で支えあう仕組みの介護保険制度が創設から9年を迎えます。しかし、あまりにも大きな津波のごとくの高齢社会の状況変化で、将来に亘る安心は見えてこないのが現状ではないでしょうか。

十数年前から懸念されていた少子化や高齢化問題は、2007年からの人口減少が現実化し、合計特殊出生率は女性一人あたり1.28人と低く、同時に65歳以上の高齢者が急速に増加する高齢化は、予測統計を下回ることなくハイペースで急速に進行しています。

少子化の問題は、15歳から64歳までの労働力人口の減少にも大きく影響し、年金、医療、介護の社会保障の支え手が減少し、世代間の助け合いで成り立ってきた制度は果たして維持できるのか疑問が生まれます。

現在の社会保障制度は、病気に例えれば末期の状態にあるといっても過言ではないと感じます。今でも厳しい状況の中、増え続ける高齢者を減少し続ける労働力人口で支えきれるのでしょうか。少子化により将来に亘り若い支え手が増えないことは目に見えています。新たな支え手としては、高齢者自身や定職に付かない若者(付きたくとも付けない理由もあることを理解した上で)、そして女性の方々が将来の特効薬ではないかと思われます。介護保険制度の問題を解決していくためには、高齢者問題だけを議論しても解決にはならない奥深いものがあります。少子化対策、女性や若者の就業対策、子育て支援対策、社会保障制度の費用の問題など・・・・・。

もう、今後数年論議を重ねて解決していくなどと悠長なことを言っていられないほど崖っぷちに立たされていることを理解しなければと感じています。

        【文:万葉園・たんぽぽ施設長大内】

・総務省統計局推計「人口(年報)」及び国立社会保障人口問題研究所「日本の将来推計人口」

(単位:万人)

 

  2007年 2030年 2055年
総人口 12,777 11,522 8,993
65歳以上の人口  2,746(21.5%)  3,667(31.8%) 3,647(40.6%)
15〜64歳の人口  8,302(65.0%)  6,740(58.5%) 4,595(51.5%)
14歳以下の人口  1,729  1,115   752


2008年9月16日(火曜日)

【認めて欲しいグループホームでの認定申請】

カテゴリー: 15時48分04秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 私が、認知症高齢者を対象としたグループホームを始めて知ったのは、1996年頃、宮城県名取市に「こもれびの家」という新たな発想の事業所があるという情報からだった。翌年に視察させていただいたが、10数年前であるが鮮明に思い出される。現在であれば驚きはしないが、当時、高齢者が住まう老人ホームなどは、箱型のRC建物、4人、6人の多床室、流れ作業のような集団介護、職員による全てに近い処遇提供、忙しそうに動き回る職員が当たり前の時代に、木造平屋の地域に溶け込んだ建物、全て個室の居室、少人数の9人の利用者に9人の職員配置、利用者と共に食事作り、掃除や畑での野菜作りなどで一人ひとりのよさを引き出す考え方、ゆったりと利用者といっしょにという方針などに驚くばかりであった。

 

 グループホームは、1980年代にノーマライゼーションの発祥地であるスウェーデンの小さな町で、障がい者が地域で生活できる運動の中から移行し、認知症ケアのため民家で行われたのが始まりで、日本でも1990年代初から少しずつ開設されるようになったと聞く。

 

 グループホームの魅力には、様々なものがあると思うが家庭的な雰囲気の中で、馴染みのスタッフが全て支援するのではなく、根気よく見守りながら自分たちのできることは自分でやるとの役割があり、少人数でゆっくりと流れる時間の中で心身を平穏に保つことができることも一因ではないかと考える。

 

 現に、当グループホームの入居予定者の心身状況等の調査に伺い、施設職員や家族からの聞き取りで、徘徊、暴言、失禁、介護拒否等で一時も目が離せない。拒否して着替えも入浴もさせてくれない時があるとの新たなご利用者が、スタッフも不安の中で入居となった。入居当日、険しい目つきの顔立ち、ひっきりなしに要望する帰宅、少しも椅子に座ることなく歩き回り、排便、排尿のための衣服の着替えとスタッフも数日間は大変であったと思う。現在、それらの行為が全てなくなったということではないが、日増しに顔には優しさが見られ、自分の居場所の居室に過ごされたり他のご利用者とテレビを見たりと大きな変化がある。これも、ご利用者の思いを大切にし熱意を持って支援したスタッフとの信頼関係が構築されたものと思う。

 

 このように介護の支援のあり方に大きな影響を与えたグループホームも、現在の9千事業所を超えて整備されたが、質的な問題のためこれまで様々な制度が改正・創設された。開設者、管理者、介護計画作成者への認知症関係の指定研修の受講、個人情報の保護、身体拘束の廃止、虐待防止、外部評価の実施と公表、介護支援専門員の配置、夜間の宿直者から夜勤者、地域に開放された事業所運営のための運営推進会議の開催、地域密着型サービスへの位置付け、通所介護や短期入所生活介護の新規サービス、看護師等との医療連携制度、スプリンクラー等の消防設備の整備などがあった。

 

 グループホームの事業者も社会的に認知される質の高いサービスのために日夜努力しているが、制度的に居住機能を持ちながら居宅サービスで施設ではないからなのか、信頼が得られていないからなのか「なぜなの」と思うことが何点かあり、その1点について記載させていただきたい。

 

 

 グループホームでは、ご利用者、ご家族に代わってご利用者の「介護保険証更新申請」ができないことです。

 介護保険法第27条第1項

(要介護認定)

第27条  要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、第46条第1項に規定する指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護保険施設であって厚生労働省令で定めるもの又は第105条の39第1項に規定する地域包括支援センターに、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。

 

 地域密着型認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は該当事業所ではなく上記下線の事業所以外は、更新申請が認められないのです。

 

 家族にやってもらえばいいでしょう。入居前のケアマネにやってもらえばいいでしょう。地域の包括支援センターがあるでしょう。併設の特別養護老人ホ−ムや老人保健施設があるでしょう。  家族に委任状を書いてもらってグループホームが代行すればいいでしょう。いろいろな方法があるかもしれませんが、入居後の事務手続きで介護施設や地域密着型介護老人福祉施設と大きな差はないように思えるグループホーム、ケアマネジャーの資格者まで必須配置となったグループホームに更新申請を認めるとなにか問題になるのでしょうか。ご利用者、ご家族に不利益を与えることになるのでしょうか。

         【文:万葉園・たんぽぽ施設長大内】


2008年8月15日(金曜日)

【甥の悩み】

カテゴリー: 16時02分16秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 お盆になり、施設の中から沢山の子供たちの声が聞こえるようになった。曾じいちゃんや曾ばあちゃんに家族大勢で会いに来てくれる。自然にご利用者にも笑顔があふれ、私たち職員も元気をいただけるのが嬉しく感じられる。

 

 近頃、なつかしい同級生からの電話が多くなった気がする。「飲み会やるぞ」とか「釣りに行くぞ」との連絡もあるが、多くなったのが「介護」に関する相談である。同級生の親の平均年齢を考えると75歳の後期高齢者の段階になっている。

 

 両親以外の介護に係る相談も少なくない。私は、長男に生まれ地元に住んでいるが、同じく地元で家を継いだ友人も多いことから、親の兄弟である伯(叔)父、伯(叔)母が5〜6人いるのは普通である。ここで、問題が生じる。独身であったり配偶者を亡くし子供がいない叔父等からすれば実家の甥(姪)は、最後の頼みの綱と考えている方も多いと考える。遠方で元気で暮らしているうちは良いが、胸騒ぎがする連絡の一報は、「入院することになった。」。1〜2ヵ月後には退院を告げられる。加齢や疾病状態によっては、介護を要する状態の叔父等を甥として今後どのようにして面倒を見ればよいのかという問題に直面し相談を受ける。

 

 現に、私が勤務する万葉園でも4分の1のご利用者の代理人は、子供や配偶者ではない。

 

 しかし、仮に遠方に居住地があり、要介護1〜3程度の軽中度で軽度の認知症の場合など多額の預金や年金でもあれば、場所にこだわらなければ介護付き有料老人ホームなどは短期間で利用することができるかもしれないが、介護福祉施設では待機者が多く重度者が優先され直ぐに対応できる見込みは皆無に近いのが現状である。しからば、居宅サービスを利用して自宅での生活となるが、金銭管理や自己決定の問題が生じれば権利擁護や後見人の問題に直面するし、介護を要する身体で24時間の生活が大丈夫かと心配になる。

 

 それでは、甥として実家で面倒を見るかと考えるが家族、住居、金銭、主介護者など様々な問題があり、そう簡単に結論が出るものではない。

 

 どんどん施設を作れば解決するだろうと思うが、現実、平成12年に創設された介護保険制度の全国平均保険料2,911円が6年後の平成18年4月から4,090円となり、3年毎に見直しされる保険料は、来年の4月に改定される。社会保険方式の介護保険制度は、全ての人が等しく制度の恩恵を受けるものでなく、保険料だけを負担する方にとっては「高福祉高負担」でも仕方がないとは考えにくい。しかし、現実に介護する家族からは、「介護保険制度がなかったら家庭は崩壊していたよ。本当にありがたい。」との言葉が寄せられる。「高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み」として創設された介護保険制度が、人口が減少する中で高齢者は増加、そして緊急な課題としての認知症高齢者の増加、老々夫婦世帯や単身世帯の増加、都市部の超高齢化、高齢者の住まいの確保など課題は山積みである。しかし、基本は、住み慣れた地域で安心して生活できる体制であって「保険あって制度なし」にだけはなってほしくない。

          【万葉園・たんぽぽ施設長:大内】


2008年7月18日(金曜日)

【地域に支えられて】

カテゴリー: 10時34分16秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 施設近くにお住まいの紺野さんから「畑の野菜取りに来らんしょ!」との温かいお声掛けがあったので、グル−プホ−ムたんぽぽの利用者の皆さんと「いざ出陣!」

 

 歩道に咲く花々に「この花きれいだごど。なんていうんだべな。」などと話しながら畑に到着すると、雑草一つない手入れされた畑にきゅうり・ナス・じゃがいも・かぼちゃ・とうみぎ(とうもろこし)など数え切れない種類と見事に育った野菜に全員で感激。「よく作ってっごど。あんなに立派になってっど。」

 

 紺野さんの奥さんにもハサミや袋まで準備していただき収穫を開始。車椅子で来たのに、どんどん畑の中に歩いて行く。紺野さんに「ナスにとげあっからなー。」との一声に「こんなのだいじょうぶだー。」とあっさり返答。あっという間に沢山の野菜を収穫し記念撮影を完了。

茄子畑 茄子畑2

 

 しかし、困ったことが起きた。沢山取りすぎて持って帰れなくなったのである。紺野さんからの救いの声、「車で持ってってやっから。」 最後の最後までご迷惑をお掛けします。

 帰りは、「酢もののきゅうりもみやっぺ、漬物もいいべっしたなー。」と相談しながら帰宅しました。紺野さんご夫婦には、いつもいつもありがとうございます。

 

 今、利用者の皆さんと楽しみにしているのは、私たちの住む相馬、双葉地方で来週の23日〜25日に開催される「相馬野馬追祭」です。地元の騎馬会のご配慮で、騎馬武者の皆さんが来ていただけるのです。また、相馬藩の国歌と言われる「相馬流れ山」の踊りを披露していただけることで、大変楽しみにしています。相馬地方に住む者にとっては、勇壮な甲冑を身につけた騎馬武者姿を見たり、心に染み入る相馬流れ山を聞くと胸が熱くなるのです。

 

 このように多くの地域の皆さんに支えられ地域の一員として生活できていることに感謝申し上げます。

 

 

 追伸  「おまえは本当にサルビアなの?」

 

 ご報告が遅れましたが、「ゴマじゃないの?」と言われた謎のサルビアですが、見事に赤い花を咲かせました。あれからも職員から「あのじゃがいもいつ収穫するのですか。」などと言われましたが見事に咲き、これから訪れる台風などでも倒れない、私ども職員と同じような強健な姿を今後も見守って参りたいと思っております。是非、見に来てください。

咲いたサルビア1 咲いたサルビア2

    【文:万葉園・たんぽぽ施設長 大内】


2008年7月4日(金曜日)

【「理屈っぽい」のかな】

カテゴリー: 11時04分07秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 夫婦喧嘩というものは、あまり記憶にないが(ほんとに)、パターンがいつも同じような気がする。話をするなかで熱が入ってくると妻は最後に言ってくる「理屈っぽいんだから」。カチンと来る。自分では、冷静に話をしているつもりで決して屁理屈などではないと思っているので、口喧嘩に発展してしまう。前々から思っていたことを文章にすると、やはり「理屈っぽい」と思われるかもしれない。

 

特別養護老人ホ−ムやグループホームの入居に際して職員が入居予定者等と面会し実態把握の調査書を作成する。項目に「現在の病名」「既往歴」の欄があり、「認知症」「老年認知症」「老人性認知症」と記載されているものも少なくない。医学知識の少ない私は、数年前まで「認知症」は病名と理解していたし、介護関係者との会話でも「認知症」=「病名」という考え、理解でお互い疑問すら持たなかった気がする。

 

 認知症に関する研修会に参加する機会があり、医師である講師から「認知症は病名ではない。」という話がされた。私にとっては衝撃的な話で理解できなかったので直接質問をした。講師は、「ううん・・熱があるとは病名ではないですよね。気管支炎、肺炎、慢性間接リウマチなどの病気で熱がある。熱があるとは症状、状態ですよね。」と正確に覚えていないが、そのような感じの説明をいただいた。

 

 たしかに、研修会の中でも認知症の原因として代表的な診断名に脳出血、脳梗塞、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、ピック病、脳腫瘍等の病気が原因となって認知症になることを学んだ。

 

 こんなことがあってから、「脳出血による認知症」「○○による認知症」が正しいと勝手に解釈するようになってから、会話や説明の中で「認知症なのです。」と言われると敏感になり、「なにが原因で。」と聞き返すことがある。決して偉ぶっているわけではなく、病気の原因によって症状の特徴に違いがあるし、初期、中期、後期の経過にも違いがある。症状以外にも発症年齢、性別、行動にも違いがあり、介護に従事する者にとってはその情報は、大変重要なことと思っている。

 

 勉強不足を曝け出すが、脳の病気についてもよく理解できていない。日本語、ドイツ語、英語による病名、なにとなにが同じなのかわからない。脳血管障害=脳卒中で、その病気の中に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、もやもや病があり、パーキンソン病、脳腫瘍、メニエール病は脳血管障害と似た症状がある病気ということも最近になって理解できた。

 

 職人の事務屋(自分ではそう思っている)であったことから医療、看護の知識不足には反省させられる。次は、理解不足の栄養業務について少し知識を深めたいと思っている。

 理屈っぽいと言われない程度に!

       【文:万葉園施設長 大内敏文】


2008年6月25日(水曜日)

【おまえは本当にサルビアなの?】

カテゴリー: 11時12分43秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 施設内を歩いていると職員から尋ねられる。「施設長、庭に植えた苗はなんですか。」

 

サル

 

 自信を持って答える。「サルビアだよ。」

 A職員・・・「サルビアだと赤い蕾が出てくるんじゃないですか。」

 また、ある日

 B職員・・・「店で売っているサルビアは、赤い花が咲いていましたよ。」

C職員・・・「これ、ゴマじゃない。ゴマに似ていますよ。」

 

サル

 だんだん自信がなくなってくる。10センチ程の苗を植えてから、もはや1ヵ月が過ぎ40センチを越すほど伸びたのに蕾が一向に見当たらない。

 D職員・・・・「こんなに大きくなって花が咲いたら見事ですよね。肥料、強すぎたんじゃないですか。」

 ということは、肥料のせいで花が咲かないという意味にも取られる。

 しかし、この苗は当施設の万葉園ボランティアの紺野会長さんにいただいた苗であり、自信を持ってサルビアである。植えてから、職員の皆が水を与えたり土を寄せたりしたお陰でこんなに大きくなった。

 人にも遅咲きの方がいる。同じ説明をして同じことを教えたつもりでも、なかなか期待どおりに応えてくれない。しかし、周りがあきらめて気遣ってあげないと、その人はしおれてしまう。周りが温かい手を差し伸べ、その人がその熱意を吸収しようとする意識があれば、一歩一歩、成長しやがては大輪を咲かせる。

 「サルビアよ、早く蕾をみせてくれ! 」

 

   【文:万葉園施設長 大内敏文】


2008年5月19日(月曜日)

【仕送りが終わって仕送りが始まる】

カテゴリー: 17時52分48秒

 ■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 学生時代の先輩が言った一言が機会あるごとに思い出される。先輩は、一人住まいだった母親が認知症を発症したことからグループホームを利用することになった。先輩の一言「息子の大学の仕送りがやっと終わったかと思ったら、今度は母親への仕送りだよ。」60歳から国民年金を受給した母親は月額4万円程度の年金、月額10万円を超えるグループホームの料金には程遠く、毎月不足額を先輩は負担しているのである。子として当たり前のことではないかとの考えもあるかもしれないが、介護を必要とする親を抱える子供たちは皆負担できるのだろうか。学生の子の仕送りであれば2年間とか4年間を頑張れば「もうすぐ終わりだ。」という希望が見えてくるが、介護には先の終わりは見えない。

 私の友達にも長年、会社や役所に勤めた親で多額の年金や貯蓄があり、子供の援助など当てにせず、逆に子供に援助している親も沢山いる。しかし反面、地方では国民年金受給者が数多いのも現状である。

厚労省老健局計画課認知症・虐待防止対策推進室の「認知症高齢者グループホームに関する調査結果」によると平成19年10月1日現在、全国に9,026事業所、総ユニット14,984ユニット、総利用者数(定員)132,817人となっている。

利用料金の平均を見ると家賃月額が2万〜4万円未満が39%、4万〜6万未満が27%、6万〜8万円未満が15%となっている。食材料費の月額では、2万〜3万円未満が18%、3万〜4万未満が57%、4万〜5万円未満が21%である。光熱水費の月額では、5千〜1万円未満が15%、1万〜2万未満が43%、2万〜2万5千円未満が13%となっている。また3分の1グループホームでは、平均額23万8千円の入居一時金の負担がある。他にオムツ代の実費や持ち込み電気器具の電気料等の負担があるのも珍しくはない。

要介護3の方の平均的な月額利用料金(30日)は、介護保険料の1割の負担が25,950円、医療連携体制加算があれば1,170円、介護保険適用外の利用料金で仮に家賃を4万円、食材料費を3万5千円、光熱水費を1万5千円、その他として3千円程度の負担とした場合、月額合計の利用料金は120,120円となる。この利用料金は月額4万円の国民年金受給者も月額25万円の厚生年金受給者も利用料金に差はないのである。

地方の従来型の特別養護老人ホ−ムで個室を利用している要介護3の方と比較(管理栄養士配置加算、栄養マネジメント加算、重度化対応加算が有り、食費1日1,380円、居住費1日1,150円と仮定して)すると市町村民税が本人に課税されている方で月額9万8千円、市町村民税が非課税であるが課税対象年金と所得の額が80万円を越える方が月額6万6千円、市町村民税が非課税であるが課税対象年金と所得の額が80万円以下の方が月額4万6千円(高額介護サービス該当の場合は3万9千円)、生活保護受給者や老齢福祉年金受給者の方は最高額でも4万1千円(高額介護サービス該当の場合は3万3千円で所得によりさらに減額される。)程度の利用料金となる。

単純に比較すると月額4万円程度の国民年金受給者の方はグループホームでは月額12万円、特別養護老人ホ−ムでは4万6千円(高額介護サービス該当の場合は3万9千円)の利用料金となり7万円程度の差が生じることになる。

結果的にグループホームは施設サービスではなくデイサービスのように在宅のサービスの一環として位置づけされていることから所得による段階的な利用料金は設定されていない、一方、在宅サービスのショートステイは特別養護老人ホ−ムと同じ4段階の利用料金が設定されている。

一般的にグループホームの現状を見て在宅のサービス事業所で特別養護老人ホ−ムのような福祉施設ではないと思われる方はどの程度いるのでしょうか。認知症の方が今後ますます増加する中で、小規模で一人ひとりの思いを大切に関われると評価の高いグループホームを、低所得の方であっても安心して利用できる料金設定であったらいいなと思うのは私だけなのでしょうか。介護保険の財源問題から、特別養護老人ホ−ム等の居住費、食費の補足給付も所得段階別の利用料金もなくなってしまうのでしょうか。

             【文:万葉園施設長大内】


2008年5月2日(金曜日)

【在宅介護の現実】

カテゴリー: 18時06分09秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 年々、急激に高齢化率が高くなってきているが私の住む南相馬市も例外ではない。介護保険制度がスタートした2000年が21.5%、2005年が23.7%、そしてついに25%となり4人に一人が65歳以上の高齢者という現状になった。

 

 国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料からは、2025年には全国民の30%が65歳以上の高齢者となり2055年には、後期高齢者医療制度の問題で名称に不評のあった75歳以上の「後期」高齢者が4人に一人と深刻な状態になると予想されている。

 

 当市の世帯状況統計からも見ても1990年の高齢者夫婦世帯は、8,113世帯であったのが10年後の2000年には10,614世帯と30%増えている。高齢者の単身世帯も1990年、672世帯が2000年には、1,239世帯と85%増えた。また、近年、介護を要する世帯で新たな世帯が問題化している。独身の子供と高齢者夫婦又は、片親との二人暮らし世帯である。統計的な数字はわからないが、私の近所にも数多く見受けられるし、ご利用者の世帯や相談に来られる方の中にも珍しくない数となっている。

 

 現在、介護保険負担の問題から介護が必要になった場合は、自宅で福祉サービスを受けながら、継続した生活を続ける方向性が重視されている。

 

 しかし、親と同居をしない子供や子供夫婦が寝たきりや行動障害のある認知症の親又は義父母に対して尊厳の持った介護に当たれるのだろうか。また、一般的な家庭で75歳の親を持つ子供は、50歳代、その子供は大学や専門学校に通う、当市のような地方では、通学できない学校が多いため月の仕送りだけでも10数万円、夫婦共稼ぎ、この状態で仕事を続けながら自宅での介護には限界がある。子と親の二人暮らし、責任のある常勤労働者としてどのようにして働きながら自宅での介護ができるのだろう。

 

 介護保険には介護度により利用限度額があり、様々な介護者の介護困難理由でも利用限度額には差はない。保育所であれば出社時間から退社後の迎えまでの時間、一定の期間が利用できるが、利用限度額内で長時間見守りをしてくれるヘルパー、365日の期間内で長時間利用できるデイサービス、小規模多機能などがあり安心して就業できる環境にあるのだろうか。

 

 私も夫婦共稼ぎ、母親は75歳、転倒骨折や認知症による自宅での介護が必要になった場合、介護休業制度では限界があり、間違いなく私か妻は仕事を辞めるだろう。実は、4月30日、これまで一生懸命ご利用者の介護に当たってくれた職員が涙の中、ご利用者と職員に見送られて退職した。親の自宅介護のために。

   【文 万葉園施設長:大内】


2008年4月15日(火曜日)

【就任時の二つの熱い感動】

カテゴリー: 17時49分34秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 この度 4月1日付の人事異動により法人本部並びに福寿園から万葉園、たんぽぽの施設長として就任いたしました。よろしくご指導をお願いいたします。

 

 理事長からの辞令交付後、早々に万葉園へまいりまして、持参した書類などを施設長の机に整理しようと引き出しを開けたところ、前任施設長の梅田正彰様からの励ましのお手紙がさりげなく添えてありました。私への就任祝いと今後の期待、自身が充実した施設勤務の中から人生での良きお土産を頂き、すがすがしい気分でこの日を迎えたことへの御礼でした。

 

 温かい心遣いに感動をするとともに、前施設長がこれまで、ご利用者、ご家族、地域の方々、そして職員の一人ひとりの思いを大切にされて係わりを持っていられたお気持ちが伝わって参りました。これまでの梅田前施設長からのご支援、ご指導に感謝申し上げ、今後のご健勝とご多幸をお祈り申し上げるものです。

 

 私が就任した特養「万葉園」は、定数50、グル−プホ−ム「たんぽぽ」は、1ユニット定数9名の県内でも小規模の施設です。特養は従来型の施設ですが、4つのエリアに分けて個別的なケアに努めたいとの考えから様々な取り組みをしておりますが「少しでもできるものからやって行こう。」との姿勢を感じる施設です。感動の2つ目は、平均要介護4を超えるご利用者が多いにも係わらずご利用者のお姿にほんのりとした安らぎを感じるのです。また、ご利用者に係わる一人ひとりの職員の様子や会話から「まずは利用者のために」という熱い熱意が感じられることです。また、施設開設時に結成していただいた万葉園ボランティアの皆様の活動から万葉園、たんぽぽを私達と一緒により良い施設にして行きたいという思いが強く感じます。

 

 施設を訪れる関係者の皆さん、そして職員の方々に、私が得た感動が継続して伝わる施設にしてまいりたいと考えております。「ご利用者のおだやかな顔と笑顔の職員が見える施設」のかじ取り役としてがんばってまいりたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。

    【万葉園・たんぽぽ施設長:大内敏文】


2008年3月31日(月曜日)

【退職にあたって】

カテゴリー: 11時37分58秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 平成18年4月、私がこの特別養護老人ホ−ム万葉園並びにグル−プホ−ムたんぽぽの施設長として着任してから、早いもので2年を経過いたしました。

 

 施設長として就任した当時は、今日まで生きてきた世界と全く違う「介護福祉」という世界で、介護の「か」の字も理解しないまま、よくぞ引き受けしたものだと後悔の念しきりでありました。その想いは、今でも変わりありません。

 

 月日が経てば経つほど、介護老人福祉業界での難問に直面し、自力で何一つ解決できない無能力さにはあきれるばかりでありました。したがって、ご利用いただいている皆様やそのご家族の皆様方に満足いただける、質の高い福祉サ−ビスを提供するなどといった言葉は、「絵に描いた餅」にすぎないと反省する日々でありました。ただ、はっきり言えることは若い職員が日々ご利用いただいている方々のために、わが身を犠牲にしながらも献身的に介護・看護業務に当たっているという現状です。その心身両面にわたるご苦労をこの目でじかに感じ取ることができましたことは、大きな収穫であり、勉強になりました。

 

 私がこの度、無事定年退職を迎えることができたのも、法人の役職員の皆様方、特に、万葉園・たんぽぽの職員の皆様方のご支援・ご協力があったからこそであると深謝しているところであります。最後まで支えていただきましたこと、終生忘れることができません。我が人生のよきお土産ができました。

 

 終わりに、ご利用者とそのご家族の皆様方、理事長様始め法人役職員の皆様方、そして、日々お世話になりました関係諸機関、万葉園ボランティアや地域住民の皆様方のご健勝とご多幸、そして、社会福祉法人南相馬福祉会のますますの発展をご祈念申し上げ、退職の挨拶といたします。有難うございました。お世話になりました。

           【万葉園施設長 梅田正彰】


2008年2月14日(木曜日)

【一人ひとりの役割を自覚しながら】

カテゴリー: 17時28分37秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 大名は大名で尊い。職人には職人で尊い。施設の職員は職員で尊いものです。これを、仏教では常住(生滅変化をしないで、常に存在すること)と言うのだそうです。なにも今ここで仏教の世界を語ろうとするのではありません。

 

 身体の中で例えてみましょう。一つの身体の中でも、目や鼻は上にあり、膝や足は下にあります。これを反対にしたら、全く用を足しません。目や鼻が上にあるからといって、足のように歩くわけにはいかないし、足や膝が下にあっても目のように物を見ることはできません。見るのは目の役目、歩くのは足の役目と職分は決まっています。目、足ともに位置は違っていても、人間の身体にとってはどちらもなくてはなりません。それぞれに身体のために、重要な任務を担いながら働いているのです。

 

 施設・事業所でいえば、職層とか階層、部門と同じことです。位は位、職は職、どちらも互いに支え合おうとも、邪魔をしてはなりません。

 

 施設長など管理職も介護・看護職員も、一つのパ−トを、責任を持って役割を演じているにしかすぎないと思います。しかもそれぞれが大切なパ−トナ−です。誰か一人でもいないと、組織としての施設・事業所は成り立ちません。各部門、各職員一人ひとりが役目を果たして、はじめて業務がスム−ズに遂行されるものです。一人ひとりが大切なのです。

 

 さあ、自分の役割をもう一度確認し、人生の設計図を見直してみようではありませんか。

 

 そうすれば、ご利用いただいている皆様やご家族に、そして地域や多くの方々に信頼される、頼られる施設・事業所に更に発展すること間違いなしです。

            【万葉園施設長:梅田 正彰】


2008年1月4日(金曜日)

【新年のご挨拶】

カテゴリー: 15時58分57秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。輝かしい新春を迎え、皆様のご多幸とご健勝を心からお祈り申し上げます。

 

 昨年中は、万葉園・たんぽぽの運営に当たり、多くの皆様方の温かいご支援・ご教示を賜り心より感謝申し上げます。

 

 当施設も時の流れと共に、開設以来6年目を迎え、ようやく独り立ちのできる施設に成長したかと実感できるようになりました。

 また、南相馬福祉会としても創設以来十年を経過し、相双地方の中核的法人に成長したと自負しているところです。

 

 今後益々高齢社会が進む中、十年の歩みを一区切りとし、今ここに踏み出した新たな一歩をステップとし「安心」、「信頼」、「やすらぎ」を基本理念としながら、地域の高齢者福祉向上のため力を尽くす所存であります。と同時に我々の業務は「対人援助」のサ―ビス業であることを自覚し、日々研鑽に努め、福祉関係職員のプロとして、職員一丸となりご利用者の安心・安全確保のため邁進する覚悟であります。

 

 ところで、1月4日には、利用者の皆様と職員の無病息災を祈願し、地元男山八幡宮の宮司さんによる祝詞を頂戴しました。これで、いつまでも元気で明るく過ごせるものと確信しているところであります。

 

 どうか今後とも関係各位の変わらぬご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年の挨拶といたします。 

             【万葉園施設長 梅田正彰】


2007年12月7日(金曜日)

【“ことば”を取り戻した日】

カテゴリー: 15時49分52秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 秋田市の今村病院での話。

 

 今村病院第二病棟は、入院者の六割が老人性認知症のお年寄りだ。Aさんは、アルツハイマ−型認知症の最重度患者である。他人の病室に入ってはコップを掴んで離さなかったり、消火器を持ち歩いたり。おむつ交換では暴れて介護職員を殴るわ蹴るわでとてもとても始末に負えなかった。

そんなAさんに、介護職員のMさんが担当として付き添うようになった。Mさんは、とにかくAさんについて歩いて話しかけた。つい触ろうとするものを一つ一つ説明し、「気持ちいいね」と天気の話もした。できるだけ笑顔で接した。

人に嫌われないように、いつも清潔してあげた。そうすると、他の付き添いさんもAさんに声をかけるようになった。

 二ヶ月後、なんとAさんの険しかった顔が優しくなった。

「同じ散歩でも、一人でとぼとぼ歩くのと連れがいるのでは違うんだね」と看護師さんの驚きが嬉しかった。四ヵ月後、なんとうなるだけだったAさんにことばが戻り、ある朝、「世話になるなあ」とつぶやいた。

 老人性認知症の患者が、最重度から中等度まで回復するのは本当に珍しいことで、主治医も感動したとのこと。

 この話を聞いて、私は、Mさんが愛情を持って話しかけ続けた成果だと思う。つまりは、ただ単に病院の職員としてのサ−ビス精神・職務だけでなく、ホスピタリティの精神で認知症患者さんに接したからこそ、Aさんの回復にこぎ着けられたのだと思う。Mさんの小さいときから培われた人間愛とコミュニケ−ション能力をフルに発揮し、患者さんに心のこもったおもてなしをしたことが功を奏したのであろう。

 しかし現実は、全てがこのような結果に結びつくとは限らない。

 が、私たち介護老人福祉施設に勤務し、日々お年寄りと接する業務についている者には、「ホスピタリティの精神で看護・介護に当たればいつの日か必ずご利用者の豊かな人生に結びつく」ことを信じ、日々業務に励みたいものである。

 私たちも、過日施設内職員研修会「ホスピタリティの基礎」で学んだことを活かしながら業務に取り組み、自分自身の一度しかない人生にもプラスになるように頑張ろうではないか。

        【万葉園施設長 梅田 正彰】


2007年10月12日(金曜日)

【壁とは!!】

カテゴリー: 09時22分58秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 「記録の壁」、「健康を維持する上での壁」、「仕事上の壁」などと日常生活と深い関わりのあるもの。また、「ベルリンの壁」、「南北の障壁」、「宗派の壁」などと背景に政治的色彩の濃いものでよく「壁」の用語が使われている。

 

「突き当たる」、「突き飛ばされる」、「どうにもならない障害」といった負の用語として捉えてしまう。

 

このように「壁」というと、どうもよいイメ−ジが湧いてこない。確かに人生そんなに甘いものではないのが常であるが、小生も今日までいろいろな壁にぶち当たりながらの人生であった(現在も)。時には、「壁」に打ちのめされ所期の目的を達成でないまま、おめおめと引き下がったこと度々のような気がする。

 

今勤務している職員を見ても、介護老人福祉施設の専門職として、業務上いろんな壁に突き当たり、日夜悩み苦しんでいる姿を垣間見ることが出来る。私としては専門的な知識も技能も持たない身であることから、どう指導・助言し、そして、励ましたらよいかという「壁」にぶち当たり、タンコブだらけ。

 

しかし、よく考えてみると「壁にぶち当たる」ということは、それだけ自分の職に真剣に取り組んでいる証拠でもある。でたらめな中途半端の勤務態度からは「壁」すら感じ取ることも出来ないのではないか。「壁」を感じ取ることが出来るその職員は、徐々に「本物の専門職員」に成長する一つの過程なのだと前向きに考えるべきである。

 

万葉園・たんぽぽの職員の皆さん、大いに悩み苦しみ、壁を乗り越え、施設・事業所の「人財」とならんことを期待する。

        【万葉園施設長 梅田正彰】


2007年6月13日(水曜日)

【長寿の秘訣は??】

カテゴリー: 09時19分41秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 先日の6月9日、当事業所グル−プホ−ムたんぽぽを利用いただいているK・S氏が目出度く満100歳の誕生日を迎えた。百寿のお祝いということで、県及び市から夫々、保健福祉事務所の副所長様・南相馬市長様始め関係者の方々が参列され、知事賀寿贈呈式が執り行われた。賀寿状や記念品、花束の贈呈やら、市長からのお祝いのことばも寄せられた。本人は、実にご満悦の様子で、参加した誰もがその長寿にあやかりたいといった雰囲気であった。

 

 当然身内である親戚の方々も北海道や埼玉と遠方より駆けつけ、来賓や利用者の皆さんと共に式に参加し、K・S氏の長寿を我がことのように喜びを共有していた。日頃生活を共にしている利用者の中には涙を流しながら、身振り手振りで友の百寿のお祝いをしていた方もいた。

 

 K・S氏は何と明治・大正・昭和・平成の4時代を過ごしてきたことになる。この100年の間には山あり、谷あり、激動の中での生活ではなかっただろうか。驚くほどに、若い時分のことを鮮明に記憶し、楽しく話してくださる。でも、何故100歳までこのように元気でいられたかについては、話を聞くことがない。

 

 何故なんだろう。身体つきもそう強健ではなさそうである。遺伝なのだろうか。

 

 ただ予測できることは、時代の流れにうまく順応し、くよくよしない人生を送ってきたからでは。また、機械に頼らない身体資本で働き、鍛えてきたからではなかろうか。食生活とて、今では粗食と捉えられても、時代を考えれば身体にとっては最適な食環境であったのではないか。今度ゆっくり聞いてみよう。

 

 K・S氏のいつまでもの健康を祈念し、自分もあやかりたいと思うこの頃である。

 

 ま、無理か???

           【万葉園施設長 梅田 正彰】


2007年4月6日(金曜日)

【施設・事業所の更なる充実を目指して】

カテゴリー: 16時32分57秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 小川のせせらぎの瀬音と共にすっかり春の息吹を感じる頃となりました。

 早いもので、当法人南相馬福祉会も平成9年に、将来に渡る社会福祉事業を広域的・安定的且確実に運営するために創設され、今年度で10周年を迎える意義ある、記念すべき年度になりました。そして今では、 相双地方においても中核的な社会福祉法人に成長することができたと思います。ここに至るには多くの先人達の努力と関係諸機関、地域住民の皆様やご利用者・ご家族の皆様方の温かいご支援・ご理解とご協力の賜と感謝しているところです。

 当万葉園・たんぽぽも、平成14年12月開設以来、 利用者様の「尊厳の保持」と「自立支援」という介護保険の基本理念を踏まえ、介護サ―ビスの質の向上と利用者の「安心・安全」、「健康の保持」に努めて参りました。 その時々で課題はあるものの、 介護老人福祉事業が軌道に乗ってきていることも自負しているところです。

 更には当法人では、年度当初に、 より効率的な職員管理と事業運営の進展を目指し、 また、 組織全体のバランスある運営基盤の再構築を促すことを目的に人事異動等が発令されました。 新職員組織をもって更に福祉業務の進展と職員の資質の向上に努めて参ります。

 今後とも、施設・事業所の課題を明確にし、その課題解決のため、また、利用者やそのご家族の皆様、関係諸機関・地域住民の皆様方の信託に応えるよう、職員一丸となって努力して参りますので、 これまで同様のご理解・ご支援・ ご協力と叱咤激励をよろしくお願い申し上げます。

              【万葉園施設長梅田正彰】


2007年3月5日(月曜日)

【プロとは!!】

カテゴリー: 13時07分43秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 ある歌人のお話「短歌の心得」

 

 「歌」の語源は、「訴える」から来ている。自分の思いを訴える手段として、和歌が誕生した。相手に「訴える」とは、相手を感動させなければならない。31文字の中に、その作者の「心」が入っていないと、到底感動をさせることは出来ない。心を込めて相手を感動させるためには、品位ある表現、品格ある表現でなければならない。歌(短歌)というものはそういうものであることを心得なければならない。なんと最近の歌はどうも感動を呼び起こさせる作品の少ないこと。ただ単に、どこから引用したのか美辞麗句の羅列としか感じ取れない作品に出合うことが多くなった。

 

 「単なる小手先の技術・技法で人を簡単に騙そうとしても、プロの眼や心を欺くことは出来ないものなんだ。」、「プロならプロと認めてもらえるような知識と技術を備えろ。」ということであろう。

 

 さて、福祉に従事するものにとっての課題の一つに、利用者の方々に何を持って感動を与え、心から満足をしていただき、健康で安心した、穏やかな暮らしをしていただけるか、常に考えなければならないことである。「心ある介護」と「心ない介護」をどう識別し、「心ある介護」に徹していくかということである。

 

 やはりその基は、法人の基本理念である「安心」、「信頼」、「安らぎ」の実践であろう。職員一人ひとりが専門職としての誇りと自信を持って、常に心を磨き、相手の立場に立った介護、根拠・目的がはっきりしている介護、微笑と感謝のことばをいただける介護などに専念していかなければならない。

 

 利用者の長寿の条件の一つに、「職員の関わり方が重要なウェ−トを占めている」ことを自覚しながら、今日も頑張りたいものである。

      【万葉園施設長 梅田 正彰】

 


2007年1月4日(木曜日)

【新年のご挨拶】

カテゴリー: 09時39分24秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 輝かしい平成十九年、皆様におかれましては清清しい新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

 月日の流れは速いもので、本施設も開設以来丸四年を過ぎたところであります。その間、多くの皆様に支えられ、今日の姿があるのです。

 各職員も専門職としての使命を果たすため、二十四時間、三百六十五日体制で、如何にしたら利用者の皆様方に満足のいく安全で安心した、安らぎのある生活を送っていただけるか、また、施設内での生活でも如何に季節感を味わっていただけるかなど行事、食事、施設内外の装飾等に工夫を凝らし、日々奮闘しているところであります。

 しかしながら、更に利用者の皆様に快適で生きがいを感じる暮らしを提供するためには多くの課題があるのも事実であります。その中でも、質の高い介護サ―ビスの在り方、感染予防対策、望ましい人間関係の構築、介護老人福祉施設職員としての資質の向上など改善努力が必要であることは自覚しております。

 どうか今後とも、ご家族の皆様方、地域の方々、そして、諸関係機関の皆様方のご理解とご支援・ご協力を切にお願い申し上げまして、新年の挨拶といたします。

              【万葉園施設長 梅田正彰】


2006年12月7日(木曜日)

【施設の顔とは!!】

カテゴリー: 10時21分48秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 引越し業者さんの話である。

 「仕事を依頼され、見積もりを立てるためにそのお宅に伺い、部屋の内部の家具類を見なくても、玄関先を見ただけでおおよその経費を算出することができる。」と。こんなコメントをテレビで話していた。「玄関先がすべてを物語っている」ということだろう。

 

 そう言えば、昔から「玄関先を見ると、その家の暮らしぶり、子供のしつけの状況、夫婦仲、場合によっては経済状況まで分かるものだ。」と祖母が口癖のように話していたのを思い出す。

 

 先日、あるお蕎麦屋さんで注文した品が出てくるまで暫く時間があったので、何気なく他の客の座敷への上がり方を見ていた。すると若い夫婦は歩いてきた方向のまま履物を脱ぎ、座敷のテ−ブルについた。その後直ぐに中年の夫婦と10代の息子さんの3人が同じようにやってきた。夫婦は上がり口で向きを変え、帰りに履きやすいように履物を脱ぎ、座敷に上がった。最後にその息子さんが同じ動作をしたと同時に、腰を屈め両親の履物と自分の履物を揃え直したのである。久しぶりに見た微笑ましい、感心する光景であった。

 

 玄関先一つ、履物の脱ぎ方一つが「家庭の顔」であって、家庭内の様子やそのしつけの様子が見えてくる様はいつの世も変わらないのだろう。

 

 ところで、我が家は・・・。とても、他人のことは言えたものではない。

 

 施設はどうだろう。どこを見れば、一目でその善し悪しが分かるのだろう。「施設の顔」とはいったい何なんだろうか?自分として何となく気になる大きな課題である。

           【万葉園施設長:梅田正彰】


2006年10月17日(火曜日)

【半年の月日が流れ】

カテゴリー: 10時05分24秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 10月に入ると、ようやく天候も落ち着き、晴天の日が続くようになった。

 

 施設の周りでは秋の穫り入れ時で、コンバインの音が此処彼処から聞こえてくる。まったく、秋たけなわといったところである。

 

 施設内を巡視していると、利用者も何故かしら、秋の季節を感じ取り生き生きと過ごされているようだ。これも、多くの職員が親身になって秋の季節を味わって貰おうと工夫して業務を遂行している賜であろう。

 

 ところで、小生も当施設をお手伝いするようになってから半年の月日が流れた。この間、日頃予想もしないいろいろな出来事にも出あう。その一つに、利用者から「感謝のことば」を耳にすることだ。普段は黙して余り多くを語らない利用者でも、常に感謝の気持ちを忘れないで生活しているからであろう。

 

 また、携われば携わるほど老人介護の大切さ、難しさが見えてきたことである。と同時に、一朝一夕には解決できそうもない課題も見えてくる。

 

 従って、今後とも職員一丸となって、課題解決のための努力と利用者は勿論のこと、地域やご家族、関係機関の信託に応えられるよう、更に愛され、親しまれる施設づくりに頑張っていきたいものである。

      【万葉園施設長 梅田 正彰】


2006年6月13日(火曜日)

“季節感”ってなんだっけ!!

カテゴリー: 15時07分48秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 本年度も早いもので、水無月を迎えた。水無月といえば、「梅雨」とか「集中豪雨」とかをすぐに連想してしまい、何故か心も身体も湿りがちで憂鬱になってしまうのは小生だけだろうか。

 もう一つ想い浮かぶ事がある。それは「衣がえ」である。

 早速いくつかの暦を見てみた。だが、現代の暦にはそのような文字は見当たらなかったのにびっくりした。なぜなんだろう。しばらく考えたが、自分なりに勝手に判断してみました。

 現代社会は、家庭であろうと会社であろうと、OA機器の発達により冷暖房設備が完備され、「夏だから」、「冬だから」といって格別「衣がえ」をしなくても良くなったんだなあと。

 そういえば、野菜や果物類も同様に感じる。温室栽培により、季節に関係なくいつでもどこでも手に入る時代であったんだっけと。

 私にとっては、何か季節感を失ったようで、味気ない世の中だと思うのだが・・・

 それはそれでヨシとしても、私たちが今関わっている介護老人福祉施設における業務はそうであってはならないと思う。自分の意思で容易に外出もできない利用者のためにも、季節や天候にあった服装をしていただくこと、また、季節感溢れる食事を提供し、豊かな暮らしをしていただくことはとても大切なことではないだろうか。

               【万葉園施設長 梅田正彰】


2006年4月6日(木曜日)

着任いたしました!!

カテゴリー: 09時54分22秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

4月に入ると、各地から桜を始め、花の便りが聞かれ、何故か心うきうきするものです。

さて、私こと梅田正彰が1日付けで当万葉園の施設長として着任いたしました。

今までの自分としての感覚では、超高齢社会を迎え、福祉介護事業の重要性が年々増すであろうという認識は持っていたものの、そのお手伝いをすることになろうとは考えても見なかった事です。

が、その任に就いたからには社会福祉法人南相馬福祉会のモットーである「安心・信頼・安らぎ」と万葉園の「真心込めた思いやり、安心・安全、快適」を目標に運営して参りたいと思います。

そのためにも、全職員一丸となり、心をひとつに介護活動に取り組み、利用者の皆様の快適な暮らしを守っていきます。また、利用者のご家族、地域の皆様方の信託に応えられるよう邁進する所存ですので、前施設長同様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いいたします。

 ――明るい職場・信頼関係の構築・誠実な対応――     

  【万葉園施設長 梅田正彰

 


2006年3月17日(金曜日)

3月を迎えて

カテゴリー: 15時16分47秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 3月に入りひな祭りも過ぎて暑さ寒さも彼岸までと言われるが、彼岸も間近かとなり、風が冷たく感じながらも春の息吹きが感じられる季節となりました。

 

 季節の変わり目は体調を崩し易いので、万葉園・たんぽぽで生活している皆さんには日々元気に過ごしていただきたいと祈っております。

 

 さて、今月は法人の会計年度末であり、次年度の事業計画(案)や予算(案)など決めなければなりませんが、これらの業務等審議する法人の理事会が22日の午後開催される日程となっております。介護保険法の改正が4月1日から実施され万葉園の多床室の介護報酬が昨年10月からの引き下げに続いて更に引き下げとなり、たんぽぽの介護報酬も夜勤ケア加算が廃止されて、報酬単位が見直しされますし、新たに加算制度の創設などを含めて大きな制度の見直しとなりますが、経営面では一層厳しい環境になると思います。

 

 また、4月1日付をもって、法人内での職員異動も行われますが、どのような状況下であっても高齢者の尊厳と利用者本位という介護保険の基本理念を踏まえて、万葉園の運営方針であります「思いやり」「気配り」を忘れずサービスの提供に努め、安心で安らぎのある暮らしの場にしてゆきたいと思っております「居室から満開の桜を見られるね」と今から楽しみしている方がおり、桜の開花が待ち遠しい今日この頃です。

               【万葉園施設長 佐々木良悦】


2006年2月10日(金曜日)

【2月を迎えて】

カテゴリー: 17時20分48秒

■特別養護老人ホーム万葉園

 

 年が明けたと思っていたら、1ヶ月があっという間に過ぎてもう2月に入り、暦の上では立春が過ぎましたが、寒さが厳しい日々が続いています。

 

 21日には雪が降り万葉園・たんぽぽの周りも一面真っ白な雪景色となりましたが、雪が思うように融けないうち、また雪が降って施設の北側歩道には雪が残っており、万葉園・たんぽぽで生活している皆さんは雪が降ったことで漸く冬らしくなったと言われる方もおります。この地方も例年よりも寒い日が続いていますが、ご家族の皆様も風邪など引かず元気にお過ごしのことと拝察いたします。

 

 23日は節分で豆まきを行って鬼を追い出し、今年1年の健康と幸福を願い、5日には近くの真野川に白鳥見学に外出しまして生活感や季節感を味わっていただきました。

 

 2月は万葉園・たんぽぽの来年度の事業計画や当初予算等の作業を進めなければなりません。介護保険法の改正に伴って万葉園の多床室の介護報酬も昨年10月からの引き下げに続いて、今年4月から更に引き下げとなり、経営面においては更に厳しさが増すものと考えておりますが、全職員で創意工夫しながらサービスの質向上に努め、利用したい、生活していて良かったといわれる施設にしたいと思っております。

 

 2月は日数が少ないためあっという間に過ぎる感じがしますが、まだまだ寒い日が続き、春の息吹が感じるのも待ち遠しい思いではありますけれども、万葉園・たんぽぽで生活している皆さんが風邪など引かないで元気にその人らしく毎日暮らしていただくには、まず職員自ら健康管理に十分注意して、常に思いやりと気配りをもって共に支え合って安らぎのある生活の場としていきたいと思っております。

              【万葉園施設長 佐々木良悦】


2006年1月13日(金曜日)

新年にあたって

カテゴリー: 15時30分19秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 新年明けましておめでとうございます。

 

 皆様におかれましては、輝かしい新年を迎えられたことお慶び申し上げます。全国的な寒波と日本海側を中心に記録的な降雪により豪雪となっている状況が連日報道されており、しかも、降雪による犠牲者が多く出ているということで毎日の生活が大変だなあとつくづく思っております。特に高齢者が多く住む地域での日々の生活は難儀するであろうし、通所サービスや訪問系の介護サービス事業に、どのように、事業者として利用される方々に対応されているのか想像が付きません。利用する方々、サービスを提供する事業者双方、大変苦労していることは十分理解できます。また、去る18日早朝に発生した長崎県大村市の認知症高齢者グループホームの火災発生による重大事故については、同じ事業を経営する者として再発防止に万全を期さなければならないし、全職員再認識するよう周知したところであります。

 

 平成18113市町合併により施設が所在する旧鹿島町も南相馬市となりましたし、介護保険制度が導入され6年経過し、7年目に入りますが、4月から制度の大幅な見直しが行われることになり節目の年になりました。万葉園・たんぽぽで生活している皆様も去る1228日には餅つきを行い、鏡餅をつくり、大晦日にはしめ飾りとともに供えて元気に新年を迎えました。

 

 16日にはたんぽぽで生活されておられる皆様は区内の男山八幡神社に初詣。17日には、太田神社より来園いただき万葉園・たんぽぽで生活されておられる皆様の今年一年の安全祈願を行いましたので、暮らしの場としてその人その人らしく元気に毎日過ごしていただきたいと願っております。ご家族の皆様もご面会にご来園いただきたいと思いますし、今年もよろしくお願い申し上げます。また、万葉園ボランティアの皆様方、今年もどうぞよろしくご協力お願い申し上げます。私達職員一同心を一つにし、思いやりと気配りを常に認識して頑張りますのでよろしくお願い申し上げます。

          【万葉園施設長 佐々木良悦】


2005年12月8日(木曜日)

開所3年たって

カテゴリー: 16時50分20秒

■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■

 

 師走を迎え寒さがひとしお身にしみる季節となりました。今月はじめには初雪がふり、いよいよ本格的な冬の到来を感じさせ、今年の冬は雪が多く降るのではないかと思う反面、地球温暖化によって自然環境へ大きな影響が出てくることが気に掛るところです。万葉園・たんぽぽも開所して3周年を迎えました。開設当初から「安心・信頼・安らぎ」の法人運営方針に基づき、万葉園の運営を職員で話し合って「思いやり・気配り」と、たんぽぽの運営方針「思いやり・やさしさ・ありのまま」をそれぞれモットーとして共有しながら、ご利用されている方の立場に立って共に支え合い3年が経ちました。ご利用されている一人ひとりにとって生活の場、暮らしの場として、自分らしく満足した日々を送られてこられたでしょうか。また、ご家族の皆様方は面会においでになられた時どのように思われたでしょか。日頃、私達職員はことば使いや対応には十分気を配っておりますが、いかがでありましたか、日々振り返り反省の毎日です。

 

 去る10月から介護保険法の一部改正が実施され、特養ホームでの居住費・食費が利用者の自己負担となりましたが、一方で介護報酬の引き下げが行われ経営収支は大幅な減収が見込まれます。更に来年4月改定では特養ホームも介護報酬を引き下げる方針であると報じられており、更に大幅な減収が予想され、良質な人材確保と安定的な経営が将来心配されますが、選んでよかった、利用してよかったと評価される施設を目指したいと思います。

 

 2005年も残り半月となり1218日には万葉園・たんぽぽクリスマス会があります。利用者は歌とハンドベルの練習に一生懸命です。家族と共に楽しい一時を過ごすのを待ち遠しく思っているようです。これから冬本番となるので、利用者の皆さん風邪を引かないように毎日の生活を送り新しい年を迎えられることを願っています。そのためには自分から風邪をひかない予防に努めていますが、職員にも自分の健康管理に十分注意するように話している今日この頃です。

          【万葉園施設長 佐々木良悦】





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